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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働法の軽視は残念なこと

プロ野球の松坂投手が日本からメジャーリーグに行くことになったとき、「自分では思ってもみなかったような細かいことまで契約書に書いてあってびっくりした。やはり違いますね」とテレビで語っていたのを見た記憶があります。
かの地では「契約」ということに対してとても神経を使っているのでしょう。
事業主さんや労働者として働く方々のご相談をお受けしていると、そのあたりの意識が皆さんまだまだ足りないんだなと感じることがあります。
「雇用契約書はもらいましたか?」
との質問に、「いいえ、もらってません」とのお返事があったりして、今時、まだそういう会社もあるんだと驚きます。
また、「ありますけど、細かいことはほとんど何もかいてないですね」という方もいらっしゃいます。
人を雇う、又は雇われるということは立派な契約行為なのです。口頭でもお互いに了承し合っていれば契約は成立しますが、「言った、言わない」のトラブルを避けるためには、書面が必要でしょう。

労働基準法では、雇入れのときに必ず重要な労働条件について書面で明示することを義務付け、また、労働契約法では、使用者に対して労働契約の内容について「理解を深めるようにするものとする」として、民法では義務づけていない書面明示について労働法ではきちんと条文化してカバーしています。(過去記事参照)
雇用契約書も渡さないような会社は相当意識が低いと思われますから、働いていてもいいことはないだろうと想像されますが、雇ってもらいたい労働者側としては、それを確認することにより、そんなめんどくさいこと言う人は雇わないと言われることをつい恐れてしまうということもあるのでしょう。
やはり、「雇い、雇われ」という立場では、雇われる方が総じて弱いと感じます。
労働者自身が労働条件について書いた契約書を持参して事業主さんに確認して記入して署名してもらう、なんてことも考えられなくはないですが、やはり、そのような労働者は事業主さんに敬遠されてしまうでしょうね。

労働条件の書面明示に関しては、雇用形態は関係ありません。正社員のみならずパート、アルバイトであっても書面明示が義務づけられます。
特に、パートタイマーに関しては、労働基準法で義務づけられていること以外に、昇給・賞与・退職金の有無について必ず記載するようにとパートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)で義務づけられています。
違反の場合は10万円以下の過料となっていて、改正された当時、一契約書につき10万円だということが言われたと怒っていた社労士がいました。パートタイマーをたくさん雇っている会社が違反を指摘されたら何百万円にもなっちゃうじゃないということからです。
しかし、もともと、労働基準法においても文書明示違反は30万円以下の罰金という罰則がありますから、そんなに軽いものではないのです。

それが守られていないということは、とりもなおさず労働法の軽視に他ならず、残念なことだと思います。罰則が適用されたということも聞いたことがありませんから、行政の側もそこまではなかなか踏み込めないということなのでしょう。
私達社労士は、地道に相談業務などを通じて労働法について発信して広めていくしかないんだろうなと思います。

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