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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

しつこくデートに誘うのはセクハラ?

労働者の方のご相談には、これってどうなんでしょう?と違法になるのかならないのかわからないので教えてほしいというご相談が多くあります。
先日受けたご相談は、セクハラにあたるのかどうなのかわからないので教えてというご相談です。
相談者A子さんの同僚B男さんは、同じ職場の他の同僚同士が結婚したことをきっかけに、自分も結婚を焦ったのか、A子さんに告白してきてデートに誘うようになりました。
その気のないA子さんはB男さんのことを何とも思っていないし、付き合う気もないときっぱり断りましたが、その後もしつこくデートに誘ってきて迷惑しています。
上司に相談してみましたが、実害がないのだからととりあってくれません。 守秘義務がありますからこれ以上は控えますが、その後もいろいろありA子さんは最近B男さんを見ると気分が悪くなるようになり、自分が会社を辞めるしかないのかと悩んでいます。
これってセクハラでしょうか? とのご質問です。
それってセクハラです。以下に理由を述べます。

男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)では、職場における性的な言動に対して事業主に対する雇用管理措置を義務づけています。
事業主には職場における性的言動について労働者が就業環境が害されたり、不利益を被らないように管理して、そのための措置を講じなさいと規定されています。(同法11条)「性的言動」と言ってもわかりにくいでしょうということで、厚生労働省は指針を出し、さらに指針の解釈についての通達も出しています。

通達(平成18年10月11日雇児発第1011002号)によると、職場については、通常の仕事をしている会社内だけではなく、取引先の事務所、取引先との打合せ先(接待の場も含む)、顧客の自宅(保険外交員等)、取材先(記者)出張先、業務で移動中の車内、実態として職務の延長と考えられる宴会など、業務に関連性がある業務遂行上の場所を幅広く例示しています。
法律では職場におけるセクハラを禁止しているのですから、私的な場所で業務と関係のないときに行うのは法律上のセクハラではないということになります。
次に「性的言動」についてですが、性的な関係の強要、不必要に身体に接触するなどのわかりやすいものから、性的な事実関係を尋ねること、性的な情報を意図的に流布すること、性的冗談、からかい、食事・デート等への執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すこと、ヌードポスター等を配布、掲示するなどが例示されています。
これらは、男女に関係なく、男性が女性にばかりではなくその逆、また、女性同士、男性同士も含まれるとしています。

セクハラの態様として、性的言動により就業環境が悪化する環境型と、性的言動に対する対応に基づき解雇、降格、減給などの不利益を与える対価型とに分類されます。
会社には、セクハラを防止するよう社員に周知・啓発する、相談窓口を設ける、セクハラがあつた場合は迅速・適切な措置をとるなどが義務づけられています。
冒頭のA子さんの場合は、B男さんが職場内でしつこくデートに誘っているのであれば、態様としては環境型ということになるでしょう。
通達では、単に性的言動があったからといって就業環境が害されたということにはならず、「能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」としていますので、しつこくデートに誘ったという事実だけでは、会社としては管理措置の範囲外なのかなと思いきや、ただし書きがあります。
「ただし、労働者が明確に意に反することを示しているにも関わらず、さらに行われる性的言動は職場におけるセクシャルハラスメントと解され得るものであること」としています。
ですから、はっきり断っているのにしつこく誘うのはセクハラとなります。
さらに、この事例では、現実にA子さんはB男さんを見ると気分が悪くなるなどの精神的ダメージを受けていますし、会社に相談もしているわけですから、やはり会社としてはきちんと対応が必要だと思われます。

友人の男性社労士にその話をしたら、「そんなの無視してればいいだけでしょ」と言うのですが、何とも思っていないどうでもいい男性にしつこく誘われることほどうっとうしいことはないですよ。
というわけで、「きっぱり断ったのにしつこくデートに誘う」はセクハラです。会社は雇用管理措置義務を果たすべきです。
A子さんには、「あなたは悪くありませんから、会社を辞める必要はありません」と言ってあげることも大事だと思います。

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