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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準監督官の現場

退職して現在は執筆や講演活動などをなさっている元労働基準監督署長の方が書いた本を読みました。 (「労働基準行政と労働基準監督官」日本法令2007年1月 )


労働基準監督官として30年以上勤めた実績をもとに、様々なエピソードや監督官としての著者の思いがつづられています。支部の掲示板で推薦なさった方がいらして、私も早速購入して読んでみたのです。

社労士試験の勉強をした時に労働基準監督官についてはちらりと勉強しました。「事業所を査察する時には証票を持参して請求があったら見せなくてはいけない」なんていう過去問もあったと思います。でも、実際には具体的にどのように仕事をしているかなどということは、なかなかイメージしにくいですよね。


この本には実務で経験なさったことがたくさん書かれていて、ああ、そういうふうになってるのかとわかります。


例えば、労働基準法では違法な事例について労働者の申告権を認めていますが、実際に労働者から申告があった時に監督官はどう動くのか?ということなども書かれています。その場合、労働者が申告したことを理由に労働者に不利益な取り扱いをすることは禁じられていますが、実際には、申告した労働者を探し出して会社に居ずらくするなどということが多いそうです。それを避けるために、定期監督を装って事業場に行くということをしているそうです。


また、労災についても、外国人やアルバイトには適用されないと思い込んでいる事業主もいるとか、(労災はアルバイト、パートを含め不法就労の外国人でも労働者である限り適用されます)その辺のところは、社労士ももっと発信していくべき問題だなと思います。


労災隠しにも触れられていますが、著者は原因のひとつとして労働者の権利意識の低さを挙げています。労災補償を請求するのはあくまでも本人名で行います。会社はそれについての証明を行うだけなのです。通常は会社が手続きまで代行している場合がほとんどですが。ですから、著者は会社が手続きをとってくれない場合は監督署に相談するようにと勧めています。監督署は相談があれぱ調べてくれるはずとのことです。


いろいろな物事というのは、やはり「現場を知る」ということが大切ですね。その意味では監督官の仕事のイメージを持つことができた本でした。

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