
ですから、原稿を書く仕事は私にとってうれしい仕事です。
先月末、以前にも書かせていただいたことのある雑誌の編集者の方から、あることについて書いてくださいとご依頼をいただきました。
それは労働法に関する日頃から勉強しているテーマでしたから、すぐにお引き受けして今月初めから関連の書籍等を読み直し、勉強し直していざ書き始めようとしましたが、意外と奥が深いテーマで、筆が進まないうちに親族の急逝などでちょっとぼんやりしてしまい、予定よりすっかり遅れてしまいました。
来月初旬に講師をお引き受けしている講座の資料も書き上げて送らないといけないしと、なんだか、落ち着かない日々を過ごしています。
それにつけても「書く」という作業はとても勉強になります。
自分の知識を整理してわかりやすく人に伝える文章を作るというのは、自分がしっかりと理解していなくてはできませんから。
内容が複雑になればなるほど、それを易しく伝えるのは難しく、自分の言葉で表現するのはなお難しいということになります。
件の原稿について、一応ベースになるものは書き上げましたが、これを読んだ人が理解できるだろうか、ご依頼いただいた方のイメージに合っているだろうか。
いっそ、がらがらポンしてもっとくだけた文章にしちゃった方がいいのだろうか。
と、一人で悶々としてしまいます。
ご依頼いただいた方は、以前に何回かご依頼いただいている方ですから、いつもの調子で書けばいいのかなと思い、ごく普通の文章になっているのですが、これについて書いてくださいというご要望事項が13項目もあり、限られた字数の中にそれが全て納まっているかどうかは、どうも自信がもてません。
書く仕事はうれしい反面、責任の重さのようなものも感じてしまい弱気になることもあります。
お引き受けしたときは、もっと簡単に書けると思っていましたが、楽してできる仕事なんて一つもないんだと思い知らされます。
それでも、やっぱり楽しいよねと内なる自分に励まされつつ、当分書籍や資料の散乱した机で、パソコンとにらめっこする日々が続きそうです。


