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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

横領については「懲戒解雇」が多い

昨日、朝のテレビ番組で会社から5億円余りを横領して、キャバクラ嬢に貢いでいて逮捕された男性の話をしていました。
キャバクラ嬢は、男性からお金を引き出すために、保険に入っていないが、心臓病だの白血病だのになって治療費がかかると偽り、一度に1000万円単位のお金を振り込ませたこともあったとか。
ICUに入っていると言って男性には会わずにお金を送らせていたとか。
「ICUに入ってる人間が携帯で電話できるわけないじゃん」
と、思わず笑ってしまいましたが、男性はそんなこと本当に信じていたんでしょうか。
振込みはネットバンキングの操作で行っていたそうで、会社の監査とかどうなってたのかなと不思議です。
この男性は税務署の税務調査が入り発覚したため、諭旨免職となったそうですが、財団法人労務行政研究所の調査によると、横領の場合、8割近い企業が「懲戒解雇」という最も重い処分を適用しているそうです。(
参照

同調査によると、設定した30のモデルケースで懲戒解雇となるのは「売上金100万円を使い込んだ」77.9%、「無断欠勤が2週間に及んだ」が69.1%、重要機密情報の漏えいが66.4%、「終業時刻後の酒酔い運転で物損事故逮捕」が45.0%、「取引先から個人的に謝礼金を受領」が40.9%となっています。
懲戒解雇は、労働者から職を奪う=生活に困窮させる、さらには再就職もしにくくなる、ことになりますから、会社としては慎重に検討しなければなりません。
会社に懲戒する権利はありますが、それについてはある条件のもとで行使しないと権利の濫用とされてしまいます。
就業規則で懲戒解雇するときはどのようなときか限定列挙して、それを労働者に周知していることが条件となります。
どんなことをすれば懲戒解雇になるのか、社内的に周知されていなければ処分はできないということです。また、過去の同様な事例に照らして相当な処分かということも、問題となります。
処分理由についても一般常識的に言って相当なものでないと懲戒権の濫用となります。

横領については約8割の企業が懲戒解雇としているのはわかりますが、2週間の無断欠勤というのは、自動的に退職したものとみなす会社もあり、懲戒解雇はちょっと重いかなという気もします。何らかのやむを得ない理由がある場合も想定して、後で取り消すことができるという条文を入れる場合もあります。
「無断欠勤2週間」より重要機密情報の漏えいの方が企業に与える影響は大きいと思いますが、こちらの方が懲戒解雇にするとした企業はちょっと少ないようですね。

横領の話に戻りますが、過去にも同種の事件がありましたが、いずれも一人に全てを任せてしまっている場合で、本人が上司に報告するときにうまくごまかしていて見抜けない場合が多いようです。
お金の出し入れについては、一人に任せっぱなしにするのは危険という認識を企業は持つべきでしょう。

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