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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

勤労者の心の悩み解決法は?

ある民間人事コンサルタント会社が、2000年から2011年まで毎年100例ずつ無作為に抽出した30日以上休業した労働者の休業原因は、うつ病などのメンタル疾患が68%を占めているそうです。
がんや脳疾患などよりもずっと多い割合ですから、今や、勤労者の心の病は大きな社会問題ともいえます。
それと類似の調査結果を独立行政法人勤労者健康福祉機構も出しています。各地の労災指定病院などで「勤労者 こころの電話相談」を行っているようですが、平成23年度は過去最高の29,209件だったと発表されています。(
参照
2と9が並んでいる数字が面白いと関係ないことを考えてしまいますが、電話というのは比較的気軽なツールだと思うので、電話で相談できる場は貴重だし良いことだと思います。この発表資料の最後に相談できる電話番号なども掲載されています。
メールも受け付けているようですが、通信料、通話料がかかるというのがちょっと気になりました。勤労者健康福祉機構は労災保険から運営費用が出されているのですから、勤労者に負
担のないようにフリーダイヤルにしてもよいのではないかと思います。

さて、中身をちょっと見てみますと、相談割合は男性46.3%、女性49.4%とそれほど男女差はないようです。年代では40代が22.7%で最多、次いで30代、50代となっています。
相談内容では、将来に対する不安感が圧倒的に多く1万件を超えています。
次いで職場に関する悩み約2,900件、体調に関する問題約2,100件となっています。
社労士としては、職場に関するお悩みに興味がありますので、さらに見ていくと、職場の悩みでは、「上司との人間関係」、「同僚との人間関係」、「その他の人間関係」とあり、人間関係の悩みが多いですね。
無人島で一人で生きていかない限り「人間関係」というのは生まれてから死ぬまでついてきます。そこにやはり悩みが生まれる余地が非常に大きいということなのでしょう。

職場においては、セクハラについては法律が整備されていますので、会社のやるべきことも責任の範囲も明確です。
パワーハラスメント、いじめ、嫌がらせについては、法律はありませんが裁判例なども出ていて場合によっては不法行為責任が問われるし、会社もわかっていて何もしなかった場合などに責任が問われることもあります。
しかし、法律で解決できる部分というのは多分小さくて、お互いの関係性の中で解決していくしかないのが現状なのでしょう。だから皆さん悩むんですよね。
よく、「過去と他人は変えられない」「自分が変われば相手も変わる」とか言いますが、相談をされる方はそういうことはわかっていて、でもどうしようもないということで電話されてくる場合が多いかもしれません。
でも、やはり「他人は変えることはできない」というのは名言だと思います。
自分と合わないなと思ってもそういう人だと思うしかないんですよね。
職場というのは仕事をする場ですから仕事を一生懸命して、自分を理解してくれる人を見つけて孤独にならないようにする。それができたら悩まない? ですよねー。
こころの相談をお受けするのは難しいです。

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