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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

どこまで許される?会社のパソコンの私的利用

この連休に本屋に行った時に「労働相談 実践マニュアル」(日本労働弁護団 2006.5.25Ver4)という本を見つけて買いました。


労働相談専門の弁護団の編集によるもので、様々な事例を挙げて考え方や判例などをわかりやすく解説しています。まだ、ぺらぺらと目を通して興味のあるものだけしか読んでいないのですが、パソコンの私的利用という項目に目をひかれました。


1人暮らしをして会社勤めをしている娘が、1~2週間に1度程度ですが、会社のPCからメールをよこすことがあります。「私用メールしていいの?」社労士としては気になるところですが、「少しぐらいなら大丈夫だよ」ということで、ちょっとなら大目に見てくれる会社のようです。


前述の本によると、業務時間中に私的にPCを利用するのは職務専念義務との関係で問題があります。また、そもそも会社財産を私的利用できるのかという問題も生じます。そうは言っても、大半の企業では就業時間中であっても、ある程度の私的会話、私用電話、喫煙等が許容されています。ですから、PCの私的メールについても業務に支障がない限り黙認されている場合が多いようです。


どうしても許容したくないなら、具体的に規定を設け社員に周知徹底することが必要でしょう。また、そのような規定がない場合は、社会通念上許される範囲で容認するという考え方でよいようです。就業時間中に長時間にわたる私的利用については、PCについての規定がなくても職務懈怠、職場規律違反等に問われることになります。


参考判例としてグレイワールドワイド事件(東京地裁判決平成15.8.5)が掲載されていました。


「労働者といえども個人として社会生活を送っている以上、就業時間中に外部と連絡をとることが一切許されないわけではなく、就業規則に特段の定めがない限り、職務遂行の支障とならず、使用者に過度の経済的負担をかけないなど社会通念上相当と認められる限度で使用者のパソコン等を利用して私用メールを送受信しても・・・・・・職務専念義務に違反するものではない」として、1日あたり2通程度の私用利用は許されるとしました。


その他の問題点として、会社が監視することによる労働者のプライバシー権の侵害というものがあります。これについても就業規則等で定め周知徹底がされていればよいとのことですが、調査目的、方法、対象(メールの送受信だけか、内容もチェックされるのか)収集データの利用方法等が明確に規定されていないと、プライバシー権の方が優先されると考えてよいでしょう。


いずれにしても、会社側は私的利用させたくないのであれば、明確に就業規則等で定め、労働者に周知徹底する必要があります。そのようなことが行われていない場合でも、労働者側は常識の範囲内で私的利用するということでしょうか。


就業規則を作る立場からすると具体的に明確にと細かくなりそうですが、労働者側からすると、あまりがんじがらめなのもちょっとやる気がなくなるかもしれませんね。社員のやる気をなくすような就業規則では意味がないし、難しいなと思います。

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