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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

改正労働契約法施行は来年4月1日

労働契約法の改正については過去記事にしました。(過去記事1)、(過去記事2)
過去記事でいろいろ思うところは書きましたが、その時点でまだ施行日がきまっていませんでした。
先週、労働政策審議会の答申が出て、来年4月1日からの施行と決まったようです。(
参照)
目玉?の部分は、同一の使用者と5年を超えて有期労働契約を結んでいる労働者が、申込をすることにより契約期間の定めのない労働契約に変えなければいけないというところでしょうか。
条文では、労働者が「当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込をしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす」となっていて、労働者側が希望して申し込めば、使用者側は承諾したことに自動的になりますよという文章になっています。

この改正について、5年を超えたら正社員にしなければならないのかと誤解している人もいるようですが、期間以外については「現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く)と同一の労働条件」とするとあり、有期契約から期間の定めのない契約に変えるけれど、他の労働条件はその前といっしょでいいですよ、ということも書いてあります。
ですから、パートタイマーの契約であれば、そのままパートであり、賃金や労働時間などの他の労働条件はそのままで、期間だけ1年とか6か月とか決めていたものを「期間の定めなし」とする契約に変わるということになります。
労働者にとっては、「次、更新してもらえるのかな」と心配しなくてもよくなります。
しかし、契約期間の途中で6か月の空白期間があれば、通算しないでよいとの抜け道的なこともあり、5年を前にあっさり契約を終了されてしまう可能性もでてきます。
その点については、判例で確立されていた有期契約の雇止め法理を明文化して歯止めの条文としています。

「当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること」
に該当する場合は、契約を更新しなければならないのですが、書いていてうんざりします。私は読みなれていますから、別にどうということはないですが、多分、一般の方は「???」という感じでしょう。
要するに、有期契約でも契約期間の定めのない契約と同様の解雇権濫用法理が適用になる場合があるということです。その場合、正社員に対する解雇と同様に、正当で合理的な理由がなければ、契約を切ることはできません。
その他、労働者側が更新について期待する合理的理由があればやはり、解雇権濫用法理が適用になるとしています。
「頑張れば正社員にします」「とりあえず、有期契約ですが、次の更新で正社員にします」などの言動が使用者側にあった場合は、労働者の「期待権」(期待する権利)を重んじることが、明文化されています。

労働契約法は、判例で確立された法理を明文化した条文が多くて小さな法律ですが、今後、どんどん判例法理が条文化されて大きく拡大していく可能性を感じさせる今般の改正です。
まずは、問題のある有期雇用契約に切り込んでいったのは一定の評価ができると思います。
使用者としては、有期雇用契約を結ぶときには、今後の更新の有無、更新しない場合の理由などをきちんと明示して結ぶことが重要になってくると思います。
厚生労働省では「有期労働契約の締結・更新及び雇止め関する基準」(
参照)を出していますから、まずはこれを守ることがトラブル防止になると思います。

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