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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働契約法改正で終身雇用に?

昨日、所属する研究会の定例会ででた話題です。
1年ごとの有期雇用を繰り返して特に定年の定めがない会社(現実にはあまりないと思いますが、業種によってはそういう会社もあるようです)の場合、今までは、ある程度の年齢で期間満了の際に契約を更新せずに雇止めをしていました。
しかし、労働契約法の改正により5年を超えて有期雇用を繰り返していた場合には、労働者側が申し出をすれば、期間の定めのない雇用契約にしなければならないため、定年の定めがないと、解雇しない限りはずーっと雇い続けることになるというわけです。
その会社は、実は就業規則もないそうで、10人以上いればとりあえず早急に就業規則を作るのが先だと思いますが、そこで、今までなかった定年制を定めたとしたら、不利益変更の問題(合理的な理由がないと不利益に規則を変更できない)が出てくる。もちろん、個別に全社員の同意を得られればそれでよいわけですが、同意しながらも何となく不満を持つ社員がいたりすると、トラブルの芽を抱えることになりかねません。

定年がないというのはそれなりに高齢の人でも問題なく今まで働けていた、1年ごとの有期契約だから切ろうと思えば切れるという考え方だったかもしれません。
有期契約の場合、厚生労働省で出している指針では、雇入れのときに契約更新の有無とその判断基準を文書で示すようにとしてあります。(
参照)
また、有期契約の更新の回数や、仕事の内容(臨時的か恒常的か)、有期から無期へ転換できる期待を持たせる会社側の言動など、総合的に考慮して実態として期間の定めのない契約と同じだと判断されれば、雇止め(契約を更新しないこと)に関して解雇権濫用法理(客観的に合理的な社会通念上相当な理由がないと解雇無効)が適用されるという判例法理がもともとあり、それがこの度の改正で労働契約法の中にも条文化されました。

ですから、特に反復更新している契約の場合、簡単に切れる契約と考えるのはそもそも間違いです。契約管理をしっかりして、これこれこういう理由が発生した場合には次の更新はありません。ということを文書で明確にしておく必要があります。
指針では、業務量や、本人の勤務成績、会社の経営状況などを考慮する材料例として挙げています。
私の場合、パートタイマーの就業規則や契約書を作る場合、これに本人の健康状態というのも付け加えます。

冒頭の会社の場合は、就業規則を作成することが重要ですが、更新基準を曖昧にしていると、すでに判例法理が適用されるような場合になっている可能性もあります。
無期に転換する申し出がなくても無期と同様とみなされる契約になっているということで、それはそれで、会社として理解していなくてはいけない部分だと思います。
労働契約法の改正により、事業主さんは、労働契約は契約関係なんだということをしっかりと自覚していただかないと、今後、問題がいろいろ出てきそうだなと思ったのでした。

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