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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

管理職への残業代

労働基準法第第41条では、労働時間、休憩、休日に関する規定の適用除外者として、監督、若しくは管理の地位にある者が挙げられていて、労働時間の規制除外=残業代(割増賃金)を払わなくてもいい人となり、これが様々なトラブルのもとになっていることは当ブログでも度々取り上げてきました。
既に多くの裁判例が出て、ここでいう管理監督者とは、経営者と一体的立場にあり、労働時間等の規制をすることがかえって業務をする上で差し支えるような人ということになっています。
即ち、①業務の内容(責任と権限) ②労働時間管理の状況 ③待遇 を総合的にみて判断するという判例法理が確立されています。行政通達も何度か同様なものが出されています。
しかし、財団法人労務行政研究所の残業代支給調査によると、不支給は部長クラス95%、課長クラス89%、課長代理51%となっています。(調査対象は上場企業並びにそれに匹敵する資本金5億円かつ500人以上の企業3766社、回答は233社)

しかも、法的には深夜労働時間(午後10時から翌朝5時まで)に対する割増賃金は除外されませんから、これは管理職でも支払わなければならないのですが、それも支給していない企業が20.4%あり、大企業でもまだまだ労働時間について理解が進んでいない会社もあるんだなと思います。
部長クラスの不支給が非常に多いですが、果たして厳密にみた場合に法律上の管理監督者にあたるかは、会社として注意を要するところだと思います。
通達では、「企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱が認められるものではないこと」としていて、社内的な地位と法律上の管理監督者が必ずしも一致するわけではないとしています。
裁判になれば、当然実態をかなり厳密にみて判断しますので、会社側の言い分が認められない場合が多いような印象があります。

以前、依頼を受けて就業規則を見直した会社では、課長以上には管理職手当をだして残業代は支払っていませんでした。
課長以上について遅刻、早退等の管理はせず労働時間の管理からは外していましたが、課長クラスが「経営者と一体的立場」の責任や権限を与えられていることはあり得ないでしょうし、私からみて手当の額も「管理職」にふさわしい待遇といえるほどの額ではありませんでした。
これはまずいですよと、理由を説明して手当は手当として、残業代をきちんと支払ってほしいとお話しましたが、経営者の方によると、「管理職手当をもらう」というのは、一種、社内的なステータスであり、それによって本人たちのモチベーションが上がっていると思われるので、今のシステムはそのままにしたいということでした。

それなら、「管理職手当」は通常の残業代以上にしていただかなくてはだめということで、今までで最高の残業代に見合った額としていただきました。(今までよりかなり高くなった)
そして、給与規程の中で、管理職のうち、就業規則第〇条に該当しない者の管理職手当には時間外労働、休日労働の割増賃金が含まれているというような意味の条文を入れました。就業規則第〇条には、労基法41条の管理監督者に当たる者には労働時間、休日、休憩の規制は適用しない。というようなことが書いてあります。
これで、何とかぎりぎりセーフかなという状況になったのですが、コストということを考えれば、管理職手当は今までどおりにして、残業代を支払うのとどっちがどうだったのかなという疑問が残りました。
でも、経営者の方は管理職手当をぐーんと上げる方がずっとよいと思っているようでした。
会社により、様々な考え方があるので、残業代を支払わないからだめとは一概には言えません。その状況や会社の考え方をよく聞いて、法律に抵触しないように考えてあげるのが、社労士の役目なのだろうなと思います。

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