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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

出向先に転籍、有給休暇はリセットされる?

先日、ある会社の総務人事担当の課長が事務所にみえました。
この会社は、昨年、私が就業規則を作成した会社です。担当者はとても真面目で一生懸命法律なども理解しようとしているのですが、いろいろ面倒な会社で、私としては顧問になるとかそんな気持ちは持てず、そういう話はしませんでした。
今年になってから、給与計算をしてくれないかと言われたときも、もともと給与計算業務はする気がないということもありお断りしたら、都内の社労士と契約したということでしたので、それはそれでよかったと思いました。
でも、「労務管理のことや就業規則については、先生に教えていただきたいんです」と言って、何かというと担当者が電話してきたり、近いということもあり事務所に相談にみえます。
今回の来所は、もともと、私の方から高年齢者雇用安定法の改正により就業規則を改正しないといけないため、その説明をしたいと申し出たためです。

私が会社に伺うというお約束をしていたのですが、課長が出かけるついでがあるからと事務所に来てくださったのです。
その時に聞かれたことが今日の標題のことです。
その会社に親会社から在籍出向していた人が、親会社からそのまま転籍した場合に有給休暇は持ち越しできるのかということです。

有給休暇は6か月以上継続勤務して8割以上の出勤率があれば権利が発生して、1年たつごとに増えて(年度ごとに8割の出勤率が必要)最高20日まであります。
時効が2年なので1年間持ち越しできますから、使わないでいると40日もってるなんていう場合もでてきます。
親会社から子会社という密接な関係の会社に出向していた、そのときは親会社に在籍していますから、親会社から有給休暇をもらっている、そのまま子会社に転籍する、すなわち、出向元から出向先に転籍した場合、有給休暇はリセットされてまた0からやり直すとなると、その人から不満が出そうだし、どうなんでしょうという質問です。

これについては、通達があり、まず、継続勤務は在籍期間をいうということです。
さらに、勤務の実態をみて実質的に判断するともあります。
定年後、同じ会社で引き続き嘱託として働く場合や、期間を定めている契約で途切れなく更新して同じところで働き続ける場合などは、ずっと継続していると考えます。
通達の中には「在籍型の出向者」というのもあり、出向してその会社にいなくなっても、在籍している限りは継続するという考え方です。
ですから、言うなれば「在籍ベース」で考えると私は理解していました。
なので、転籍したらリセットされます。
でも、話し合いで継続して労働者側に有利になるようにはからってあげる分には全く問題なし。というのが回答だと思ったのですが、親会社と子会社ということに多少ひっかりり、自分の事務所ということもあり、あれこれ書籍等にあたってみました。
どうも、すっきりしなかったし、課長も何となく納得できていないみたいだったので、その事業所最寄の労働基準監督署に電話しちゃいました。

結論としては、私の考えどおりでよかったのですが、電話の声がかねてよりその労基署に相談員として時々窓口でお会いしていた同じ支部の社労士らしかったので、
「失礼ですが、〇〇さんですか?」と聞いたら、
「ええ、そうですが、もしかして鈴木さん?」とあちらも私に気がついてくれました。
労基署に知り合いがいるって結構うれしいなと思ったのでした。

というわけで、転籍したらリセットされるが正解ですが、転籍については労働者側の同意がなければ絶対できませんから、労働者側は転籍の条件として有給休暇を継続したいというような話をしてもいいのではないかと思います。

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コメント


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転籍者の有休について質問です

出向後の転籍時に、以前の会社の勤務年数を通算させるかについては私の会社でも問題意識を持っています。現状ではリセットしています。会社としては、本当は通算したいのですが、親会社からの転籍者のみ通算し、その他からの採用社員は通算せずでは、公平性が欠けるとの理由からです。均等待遇の観点から見た場合、個別に「話し合いで継続して」一部の「労働者側に有利になるようにはからってあげる」場合、利益を受けない他の職員から違法性を問われることはないのでしょうか。教えて下さい。

ただいま勉強中 | URL | 2013年08月02日(Fri)10:12 [EDIT]


Re: 転籍者の有休について質問です

ただいま勉強中様

随分前の記事を読んでいただきましてありがとうございます。
ご質問にあるように、転籍というのは、労働者からすれば労務提供先が変わり今までとは別の新しい会社と契約を結ぶことですから、ブログにもあるようにそこでリセットするというのが法的解釈だと思います。

親会社からの転籍者のみ通算してあげたいとの会社のご意向は、親会社とはかなり密接なつながりがあるからというようなお考えからでしょうか。
そうであるのなら、社内規程などで親会社からの転籍者については有給休暇を通算するなどの規定を作り、社内的に周知しておくのがよいと思います。
親会社との関係性は他の会社とは違うということが合理的に説明ができればなおよいと思います。

全く同程度の仕事をしている他の会社の転籍者から違法性を問われるかどうかについては、規定があり社内的に周知されていること、契約時によく説明をして理解してもらうことなどをきちんと行うことだと思います。

本来、リセットされるべき有給休暇を通算して法定より多くする場合、その点では違法性はありませんが、他の転籍者との差別になるのではとご心配なさっているのですよね。
そのあたり、私もちょっと「うーん」と考えてしまいましたが、転籍するということは新規に契約を結ぶということですから、納得の上契約していただく分には問題ないと思います。

以上は、法的解釈ですが、労務管理という観点からするとどうでしょうか。親会社からの転籍者優遇ということについて、他の会社からの転籍者のモチベーションなどちょっと心配です。
転籍者については、あくまでもその人の仕事ぶりを見て契約条件を決めるという方が、私はすっきりします。その人の出身会社がどこであるかなどあまり問題にせず、目の前のその人がどのように会社に貢献してくれるかが大事なのではないかと思います。

ご参考になったかわかりませんが、以上のことなど総合的にご考慮いただき、慎重にご判断いただきたいと思います。

おばさん社労士    鈴木 豊子 | URL | 2013年08月02日(Fri)12:32 [EDIT]