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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「企業における採用の自由」雑感

初めて社労士試験を受けた平成15年、労働法の一般常識の問題でうら覚えですが、「企業には採用の自由があり採用についての法的制限はないというのが最高裁の見解である」というような選択肢がありました。
三菱樹脂事件がすぐに頭に浮かび、正しいものを選ぶ問題だったので私は自信をもってそれを選んで失敗しました。当時、男女雇用機会均等法の募集、採用における努力義務、障害者雇用促進法の障害者雇用率の達成など、わずかですが制限があっかたらです。
私は、その科目の基準点がとれず、総合得点もOK、他の科目の基準点もOKだったのに、その科目でたった1点足りないがために不合格となりました。
初めての受験のときは、この試験の何たるかが全く理解できていなかったと思います。
基準点割れを防ぐテクニックはちゃんとあったのに、そんなこと考えもしませんでした。
今年は平成25年ですから、あれから10年かと感慨深いものがあります。
さて、そんなことが頭に浮かんだのも、昨日記事にした高年齢者雇用安定法の改正や、労働契約法の改正、派遣法の改正等により、企業の採用の自由がこのところ制限が加えられていくなーと思っているからです。

特に、高年齢者雇用安定法の65歳までの雇用確保措置は、年金制度を改革して支給年齢を引き上げたときにわかっていたことをずるずると先延ばしして、いきなり改正してきたようにも思えて、私にしては珍しく企業に同情してしまいます。
60歳の定年は違法ではないとしていながら、一方で65歳まで雇えというのは矛盾するし、能力のある人にはいてほしいけれど、能力のない人は去っていただき、その分若い人を採用したいという企業の本音は理解できるからです。
他方、企業には良い雇用環境を提供するという社会的責任があるということも、私は主張してきました。
新しく就業規則を作成する会社には、定年は65歳にするようにとお願いしてきたし、「使えない」人は解雇できるように解雇その他の規定でカバーできると説明してきました。

昨年末、以前、就業規則を作ったある会社で高年齢者雇用安定法の改正に合わせて就業規則を改正して届出も済ませました。
その会社は、親会社との関係で60歳定年として労使協定の基準に合致した人を65歳まで雇うという形式の規則にしていたためです。そういう会社は他にもありますが、私は法律で認められている暫定措置などはとらずに、希望者全員65歳まで雇うとする規定に変えるようにお勧めしています。
管理を簡単にするとともにそれが法律の趣旨にかなうということもありますし、解雇規定をしっかり作っていれば、体力や能力に問題がある人はそれなりの手順を正しく踏んだ上で解雇はできると考えているからです。

条文を修正するために担当者とお話したときに「嘱託としての雇用は本人が65歳に達する日を限度として契約を更新するでいいですよね」と確認すると、
「実は、もうすぐ65歳になる人がいるんですが、その人は技能もあるのでもう少し長くいてもらって、若い人を指導したりもしてほしいんですよ」と意外なことをおっしゃいます。
他にも定年後に残っている人でそういう人がいるとか。
というわけで、「ただし、会社が認めた場合は、65歳以後も契約を更新する場合がある」とのただし書きをつけることにしました。
その会社は親会社から独立して立ち上げてまだ3年目ぐらいですが、いつも業績がなかなか厳しいという話や、この人解雇したいんですがどうにかなりませんか、というような相談ばかりだったので、軽く感動してしまいました。
20数名の製造業ですが、そんなふうに若い人と高齢者がうまくすみ分けて仕事をすることも可能なんだなと思いました。
企業には、採用の自由もあるし、人を切る自由とともに雇い続ける自由もあるのだと今さらながら思い至ったのでした。

今年も仕事を通じて様々な方々とお話しすると思いますが、相手方にとって最善の方策を示して差し上げられるように勉強を続けようと思います。

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