FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

改正労働契約法をめぐる議論

昨日、所属する社労士会の研究会で、労働契約法の改正についていろいろと議論して理解を深めることができましたが、逆にわからなくなったこともあり、この法律は結構厄介だわと思いました。
過去記事にもしましたが、(
参照)大きな目玉的改正は有期雇用労働者が更新を繰り返し、5年を超えて雇われ続けている場合は、労働者の申出により無期雇用に返還する義務が使用者に生ずるというものです。(労働条件は特に定めがなければ従前と同様でよい)
この場合、途中に一定期間(最大で6か月)の空白期間(クーリングオフ期間)があればリセットされて、空白期間終了後からまたカウントするということになっています。
この期間は、有期契約の期間により変わりますが、契約期間の2分の1と単純に私は考えていました。1年契約なら6か月、6か月契約なら3か月と思っていましたが、もし、更新を繰り返した場合、期間をどんどん上乗せしてカウントするため、例えば、6か月を2回更新して通算期間が1年になったら空白期間は6か月とらなくてはいけなくなるのですね。
そんなことを教えてもらってとても勉強になりました。

他にも、最初から5年を超える更新はしないとして互いに合意しておけば、無期契約に転換を申し込まれる前の段階で契約を終了できるとするある弁護士さんの見解が紹介され、それは合理的な理由がない限りは脱法行為的なことではないかとの反論が出て、物議をかもしました。それについては結論は出ていません。
例えば、何らかのプロジェクトなどでで期間が限られている仕事などでしたら、それはそれでよいと思いますが、1年ごとの契約を繰り返し、更新は4回目までしかしませんと最初に契約条件を提示されたとしたら、無期契約への申込を避けようとしているというのがみえみえだと思うのですが、互いに合意して契約すれば民事的には有効と考えられるということなのでしょう。
しかし、合意があるだけでは契約は有効とはなりません。その契約内容がいわゆる「公序良俗」に違反していない必要があります。
前述のような契約が公序良俗違反とはならないかというところも気になりますが、有期労働契約の雇止め(契約更新しないこと)法理が確立されていますから、労働者側はそれを対抗手段とすることになるでしょう。

①仕事の内容が臨時的か恒常的か、
②更新の回数、通算期間
③契約管理の状況(更新ごとに契約書をとりかわしていたか)
④継続の期待をもたせる言動があったか
⑤他の労働者の更新の状況
以上を総合的に考慮するわけですが、前述の契約の場合はまず④を消しておいて、契約管理もしっかりしておけばよいとの考えかもしれませんが、もし、その人を雇止めして新しい人と契約したような場合には、前の人を雇止めする合理的な理由があったかを問われるのではないかと思います。
どうしても職を得たいと思う労働者は、そのような条件でも合意してしまうかもしれません。
かくして、不安定な立場を是正しようという法律の趣旨は粉砕され、世の中には、通算5年以上の有期契約はなくなってしまうかも、というようなことは、改正前からも議論があったと思いますが、どうなのでしょうか。私もにわかには判断できません。
多分、個別具体的な契約内容をみて判断していくことになるのでしょう。

その他にも期間の定めのない人(正社員)との不合理な労働条件の違いをつけてはいけないという解釈をめぐり、いろいろ議論がありました。
今後の推移を注意深く見守っていきたいと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する