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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

派遣社員から正社員への登用に法的問題は?と聞かれて

さて、昨日訪問した関与先で予定していた事項に関する話が終わった後で、標題のような質問がありました。
その会社は、以前派遣社員がいなかったはずですが、最近3か月契約で派遣社員を一人受け入れているとのことです。
その会社はある製造業で特許などをたくさん取得していて、小さいながら業績も好調です。
派遣社員というのは技術系の専門職だそうですが、とても優秀な人なので派遣元との契約が終了したら正社員に登用することを考えたいそうです。
「先生にお尋ねしていいことなのかちょっとわかりませんが・・・」
との前置きの後でのご質問でした。
派遣法は労働法、正社員に登用するかなどということは労務管理、バリバリ社労士の守備範囲ですよ。余裕で私に聞いてくださいよ。
と内心思いつつ、これが現実。社労士が何をする人か理解されていないのが現実なんだなあと思いました。

もっとも私も派遣法は一通り勉強しているだけで、今まであまりその関係の相談など受けたことがなかったのですが。
派遣元とその派遣労働者との間で雇用契約が終了すれば、その労働者は自由の身ですから、その後派遣先だった会社と雇用契約を結ぶことには何の制約もないはずです。人には憲法で保障された職業選択の自由があるはずですから。
派遣元との雇用契約終了後にお互いに合意の上で正社員として契約を結ぶことには、法的問題はありません。と答えた後に、派遣先企業として気をつけることなど一通りお話しました。
余裕をもってお話しているような態度をとりつつ、内心、派遣法を確認しないといけないなと思いつつひとまず訪問を終わりにしたのでした。

事務所に帰り、早速派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)を読むと、33条で、派遣元との雇用契約終了後に派遣労働者が派遣先と雇用契約を結ぶことを禁じるような契約をしてはならない。これは労働者と派遣先企業両方に対してです。派遣先企業との間では「正当な理由なく」という文言かありますが、書籍等で調べてみると、極めて高度な重要機密事項をもっている場合など、ごく限られた範囲であり、一般的にはほとんど関係ないと考えてよいようです。
従って、私の出した「派遣社員だった人を派遣元との雇用契約終了後に派遣先が正社員にすることに法的問題はない」という結論は正解であり、むしろ、法律では派遣元がそれを邪魔するのはだめですよと言っているのです。
しかし、現実には何らかのトラブルがあるのかなとネットで検索してみると、派遣元が派遣社員を抱え込んでいたい場合に「引き抜き」だなどとしてトラブルがあるようです。人材不足の業種や派遣元が派遣社員の教育等にかなりの投資をしているような場合です。

というわけで、派遣法の条文についての説明と、考えられるトラブルなどを示して、派遣元とも円満に話し合って行うようにしてくださいと、追加説明としてメールを差し上げておきました。
こういうときにメールは実に便利だなと思います。
電話で聞いただけでは法律についてはちょっと難しくなりますが、わかりやすい文章にして説明できますし、じっくりと読んでいただくことができるからです。
かくして、派遣法のおさらいもできて、有意義な訪問となったのでした。 

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