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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

がんによる障害年金受給

私の所属する埼玉県社会保険労務士会には、会員が自主的に勉強するために任意に作り、会に公認された研究会が現在14部会あります。
そのうち3部会ずつが毎年、今頃の時期に研究成果を発表する発表会があります。私も自分が発表する側で舞台に立ったこともあります。(過去記事参照)
発表会は発表する部会にとっては「晴れ舞台」ですから、拝聴するのが仁義?だと思いほぼ毎年拝聴しています。
その発表会が昨日開催され、10時から17時まで1日がかりでしたが、私も観客として参加しました。近隣の都県からも40名以上の方がいらっしゃったそうで、会員の参加も300名余りと大変な盛況でした。
発表された中で、最も印象に残った障害年金の事例についてちょっと書いておきたいと思います。 それは、在職中にがんになり仕事が辛くなり退職した後、請求したいとの相談を受けた事例で、不幸にして面談する前に亡くなったそうですが、遺族が未支給の年金として請求して、初診日から1年6か月目の障害認定日にさかのぼって受給し、かつ遺族年金にもつながったという事例です。

発表者によると、障害年金について肢体など外見の障害だけではなく、内臓疾患による障害も労働できないまたは制限を受けるような状態であれば請求できるのに、知らないで請求していない人もいるとのことで、特に、がんの場合、年金事務所の窓口にいる相談員さえ受給できることを知らなかったりして、相談に訪れた人を帰したりしているということです。
がんによる全身の衰弱、あるいは抗がん剤治療の副作用による全身の衰弱が顕著であれば、受給できる可能性があるということで、このあたりは私も多少の知識はありました。
しかし、認定の内容をみると、軽度の症状で歩行や軽労働、座業などができても肉体労働の制限があるなどすれば、3級の区分になるということまでは知りませんでした。
隣席にいた同じ支部の懇意にしている先輩と、
「がんになった人はみんな請求できちゃうかもね」とひそひそ私語をしてしまいました。

障害年金は初診日にどの制度の保険を使っていたかが非常に重要です。
発表された事例も在職中に発病したため、障害厚生年金の対象となります。国民年金は2級までですが、厚生年金は3級までありますし、1級、2級に認定されれば、障害基礎年金に上乗せするかたちで障害厚生年金が受給できますから給付面で有利になっています。
前述のように、ご本人は発表者が詳しい話を聞く前に容態が悪化して亡くなるのですが、障害年金を受給する権利は、通常、初診日から1年6か月後に障害等級に該当すれば、発生しますから、亡くなった方もその時点で該当すれば権利があったことになります。
そうすると、権利があった人が請求せず亡くなった場合の「未支給の年金」(
過去記事参照)として該当する遺族がいれば請求できることになります。
このあたりは、私もなるほどと思ったところでした。

さらに、この遺族(奥様)は亡くなったご本人が老齢厚生年金の受給資格がなく、初診日が在職中にあっても、初診日から5年以上たっての死亡だったため、遺族厚生年金も受給資格がなく受給していなかったそうです。しかし、ご本人が障害等級の2級に認定されたことから、遺族厚生年金の受給資格も発生して、遺族厚生年金も受給できるようになったという、ほんとによかった、よかったという事例でした。
社労士以外の読者の方には、ちょっと複雑で難しい話かもしれませんが、がん治療により仕事をすることが難しくなった場合など、障害年金を受給できる可能性もあるということを知っておくとよいかもしれません。
また、障害年金について相談したいけれど、どこに行けばよいかわからないという方は、各都道府県の社労士会(
参照
)にご相談なさるとよいでしょう。

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