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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

競わされることで傷つく心

今朝、出かける仕度をしながらテレビを見ていたら、例の体罰問題をとりあげていて、過去にラグビー選手として活躍した人が、世界の流れは、「叱って伸ばす」ではなく「ほめて伸ばす」だということを指導者は理解してほしいというようなことを言っていました。
他方、新聞の労働問題を取り上げた紙面では、入社間もない人が社内での競争を意識するあまり、過重労働となり自殺してしまったという事例が取り上げられていました。
企業においても人を指導して伸ばすということが行われると思いますが、即戦力を期待するあまり、「ほめて伸ばす」の対極にあるような「ダメだしして振り落とす」というようなことが行われる場合があるようです。

新聞で取り上げられていた事例は、名前を聞けば知っている人も多い情報提供会社に入社した新入社員が、入社半年後に自殺した例です。
その会社は入社から6か月間を「予選」と称して、正社員として経営全般に関与できる人と契約社員として勤務時間や仕事内容を限定される人とに振り分ける人事システムをとっていました。
自殺した社員は憧れの職業だったため、正社員に残れるようにと相当無理をして働いて、残業時間が200時間を超える月もあったようです。
労働時間管理はどうなってたのかと疑問ですが、半年後に契約社員になることを告げられた翌日自殺して労災も認められています。
遺族が損害賠償訴訟を起こしましたが、会社が入退出時刻の管理を厳格にすることや、メンタルヘルスの研修等をすることになり、和解したそうです。

「予選」で契約社員となるのは30~40人のうち1~2人ということですので、余計にプレッシャーになったのかもしれません。多少要領が悪いとか何らかの問題があった人なのかもしれませんが、人にはいろいろタイプがあります。人より時間をかけて伸びていく人もいるでしょうし、社会経験も未熟な若い人に、半年で結果を求めるのは性急に過ぎるのではないかと思います。会社としては、「試用期間」というような感覚かもしれませんし、入社のときに人事システムについては説明しているのでしょうが、せっかくお金をかけて採用した新入社員に自殺されてしまうのは、やはり困ったことだと思います。
結果的に裁判になり、会社もかなりの時間とエネルギーを使ったことだと思います。

人は過度な競争にさらされると相当なストレスを抱えます。一方、「あなたの存在は大事」「あなたのこういうところがとてもいい」ということをいつも言われていたら、随分心に余裕をもてるのではないかなと思います。
経営者の立場になると、問題がありどうしようもないから仕方ないということになるのかもしれませんが、指導法や人事システム、社内の雰囲気で人は変わり得るということをもっと自覚した方がよいのではないかと思います。
採用したからには、責任をもって育てていくという気概のある会社は、今や少数派なんでしようか。

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