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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

自己研鑽のための休職

休職というのは、労働基準法などの労働法には規定がなく、会社の裁量で行う部分です。
そのため、就業規則でどういうときに休職を発令するか、期間はどのくらい、その間の給料はどうするか、社会保険料の支払はどうするかなどについて、きちんと決めておかないとトラブルのもとになります。
病気による休職が多いと思いますが、私事都合による休職というのもだいたい規則では認めている場合が多いと思います。
想定しているのは家庭の事情などやむを得ない場合だと思いますが、最近は、留学するとか大学院に通うとか自己研鑽のために休職を願い出る例なども増えているようです。
今日、訪問した関与先でもそんなことを相談されました。

詳細を書くのは控えますが、就業規則(私が作成した)では、休職を願い出て会社が認めた場合は自己都合による休職も認められるようになっています。
期間も「会社が必要と認めた期間」で、会社の裁量の範囲を大きくとってあります。
願い出た人は技術系の人で自分の研究のための休職を申し出ていて、会社としては初めてのケースなのでどうしたものかと迷っているようです。
当人は、技術系の優秀な人で研究終了後、会社に戻りたいと言っているそうです。
参考になる書籍等もあまりなかったので、私見を述べました。

考えられるリスクとしては、このような前例を一つ作ると同様な理由で休職を願い出られたときに、そう簡単には断れなくなるということがまずあります。
会社として、一度許せば他の人についても許可せざるを得なくなるでしょう。
人によって差をつけるときには正当な理由が必要になると思います。
そうでないと不公平になり会社全体のモチベーションにかかわってくると思われます。
また、会社に戻ると言っていても途中または終了後に気が変わり、退職してしまう可能性もあります。
会社としては、休職期間終了後に何年かは必ず勤務せよと言いたいところですが、労働者には職業選択の自由と退職の自由が法的に保障されています。
誓約書のようなものを取り交わしたとしても結局、労働者を縛り付けることはできませんから、効力は疑問ということになります。

他方、しっかり勉強して帰ってきて会社の役にたってほしいと送り出すのも一つの考え方です。会社としてその間の社会保険料の負担は、人材に投資したということになるでしょう。
他の社員も「うちの会社っていい会社だなあ」と思うかもしれません。
その人が将来大化けする可能性もあり、会社はそのあたりも見極める必要があるでしょう。
結局は、経営者がどう考えるか、社内の風土、文化などが関係してくることなのだと思います。
別の一つの方法としては、いったん退職扱いとして、研究の合間にアルバイト的に社会保険料の負担が生じない範囲で働いてもらう。技術系でしたら、会社に出勤しなくても在宅で仕事をするということも可能ではないのかなと思うので、そんなこともお話しました。
会社がどんな結論を出すか、私としても興味のあるところです。

[管理人注]文中、社会保険料の負担とありますが、もし大学院等に進学してその間労務提供がなければ、実態としては労働者でなくなるため、会社に在籍していても社会保険の被保険者としての資格はなくなります。いったん資格喪失届をだすことになります。
雇用保険も、学生になった場合は、被保険者とはなりませんので、会社に在籍していてもいったん資格喪失となります。

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