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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

日本の雇用制度のいきづまり?

昨晩、たまたまテレビをつけたらBSフジのニュース番組をやっていて、今般の高年齢者雇用安定法の改正(原則希望者全員を65歳まで雇う)についての議論をしていて、ちょっと見てみました。
自民党の論客で、彼が若い頃から私は自民党の中ではいい方かなと注目していた自民党議員と、私が常々著書やブログを読んでいる有識者というような二人、3人による議論でした。
最後の方の結論としては、日本型の雇用システムそのものを変えないと問題は解決できないのではないかというような方向(はっきりそう言い切っているわけでもない)でした。
日本型の雇用システムとは、とっくに崩れている終身雇用制ではなく、「就職ではなく就社」というシステムです。

まず、定年制というのは日本独特の欧米にはない制度だということが語られます。
欧米では、はっきりと年齢差別を禁止している国も多く年齢で線引きなどとんでもないというわけです。
しかし、そうなるには日本と違う雇用環境の背景があります。
欧米の会社というのは人を雇うときに秘書なら秘書の仕事というように、仕事を限定して雇います。その人は会社を変えても秘書という仕事は続ける。
だから、年齢で線引きする必要はなく秘書という仕事ができなくなったら、また、会社にそのポストが必要なくなったら、簡単に辞めてもらうことが可能です。

日本では、仕事内容を決めずに就職する場合も多く、多くの人は「会社に入ります。」欧米では会社は変わっても仕事は変わらない。日本では仕事が変わっても会社は変わらないというわけです。
会社に言われるままに営業職につくこともあるし、総務や経理を任される場合もあります。会社の人事権は広範囲に認められていて、転勤などもよほどの理由がない限り断ることはできません。
会社にとっては、まさに都合のいい社員なのですが、何でもさせられるということは逆に一つのことができなくても簡単に辞めてもらうことはできないということになり、解雇権の濫用について厳しく問われることにもなります。
簡単に辞めてもらうことができない人をずーと雇い続けることは企業としてもコスト高になりますから、定年で線引きをする必要があったというわけです。
このあたりのことは、この国にずーっと昔からあった雇用慣習で、楠田丘氏の「賃金とは何か」の中でも語られています。(
過去記事①参照)、(過去記事②参照

そのため、大企業ほどいろいろなポストがあるために、定年をしっかり定め再雇用の線引きも厳しい。しかし、中小零細企業は自ずと仕事が限られるため、案外定年後もその仕事ができる限り勤め続け、自然と欧米型に近い現象がみられるというのは、私も実感として理解できました。
企業は便利に使える社員をある程度は確保しておきたいが、定年まで雇い続けるというコストがあり、非正規雇用者をうまく組み合わせて何とか帳尻をあわせようとしたために、現状の非正規雇用者の増大につながったというような話もありました。
高齢者優遇ともいえる法改正をするのなら、一方で若者をある一定率以上雇うというような法律があってもいいという意見には私も同感でした。
また、今後の人口減少社会の中で高齢者の活用は必須であり、年金支給開始年齢もさらなる引き上げが必要だろうというぞっとするような話もあり、興味深く見てしまいました。

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