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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

退職勧奨 労働者側から

昨日書いた「追い出し部屋」の記事に関連して退職勧奨についてちょっと書いておきたいと思います。
思えば昨年度担当した全国社会保険労務士会連合会の電話相談業務では、退職勧奨に関する相談が結構ありました。
中には、よくよく聞いてみるとかなり恵まれた条件の退職勧奨もありましたが、それでも相談してきた方はとにかく辞めたくないとのことでのご相談でした。
経営上の理由による退職勧奨ですが、過去の判例などを踏まえて会社側は相当手を尽くしているように思いましたが、自分を否定されたということについて悔しいという思いをもっているようでした。
つくづく人には感情があり、その感情を踏みにじったりおろそかにするようなことは経営者たるもの、してはいけないのだと思いました。
さて、退職勧奨とは会社側から雇用契約の解除を申し込んでいる、いわば合意解約をお願いしているわけで、一方的に解除する解雇とは違います。

一方的に契約解除を申し渡される解雇なら正当な理由(客観的合理的で社会通念上相当な理由)があれば、労働者側は受け容れざるを得ません。(理由が納得いかなければ解雇権濫用を争うことが可能)
期間の定めのない契約については、労使ともに一方的に解約を通告する自由があるからです。
退職勧奨は、あくまでも解約に合意してもらうことを申し込んでいるだけですから、労働者には断る自由があります。嫌なら断ればよいわけです。受け容れる義務はありません。
ですから、退職勧奨しただけでは違法ということにはなりません。
昨日の記事中の判例のように、繰り返し執拗に行われたり脅迫的な態度で行われたりすると違法と判断されます。
判例では、3~4か月間に11回~13回、20分から2時間にわたり退職勧奨を行い、受け容れない限り所属する組合の要求を受け容れないとか、配転をほのめかしたりしたそうです。退職しない限り続けると言ったりもしていて、最高裁までいきましたが違法とされました。
心理的に圧迫を加え、その精神的自由を侵害され耐えうる限度を越えて名誉感情を傷つけられたとして損害賠償請求を認めています。
しかし、損害賠償額は、原告のうち一人が4万円、もう一人が5万円とそれほど大きな額ではありません。(請求額は50万円)

労働者側としては、「退職しなければ解雇する」と言われたり、執拗に繰り返し言われたり、名誉を著しく傷つけられるようなことを言われたりした場合に違法性を主張できると思います。しかし、損害賠償請求をするときに立証責任は訴えた側が負いますから、証拠という話になります。使用者とのやりとりをきちんと記録する、場合によっては録音するなどしないと、使用者側にそんなことは言っていないと否定されてしまうと立証が難しくなります。
前述の裁判例のように賠償額もそれほど多くはないので、裁判を起すというのも厳しいかなという気もします。
しっかりと交渉してなるべく良い条件で退職に応じて、そんなひどい会社はさっさとおさらばするというのも一つの考え方なのかなとも思います。

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