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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

メーデー雑感

今日は労働者の祭典と言われるメーデーで、全国各地で労働者の集いが開催されます。
一般の方は「労働者」という言葉にあまりなじみがないと思いますが、労働基準法をはじめとして労働法関係の法律を見ていく上で労働者であるのかないのかは重要なポイントです。
「労働者」という立場だからこそ各種労働法が適用となり、様々な保護、権利が与えられるからです。
労働基準法では「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者」と規定しています。(労働基準法第9条)
イメージとしては雇われて働いて賃金を受ける人、というようなところでしょうか。雇われて働くということは雇い主の指示を受けて働くことであり、みずからの労働力を他者に提供しているわけです。「労働力」というのは保存がきかず、売れそうなときを見はからって倉庫からだしてきて高く売るなどということはできない。他の労働者との競争も激しい。
というわけで、自由資本主義経済では労働力を買う資本家の方が圧倒的に立場が強くなり、常に労働者は不利にならざるを得ない。
労働者が不利になるということはその家族も困窮することになり、しいては労働者が多数を占める社会全体にも悪影響を及ぼす。ゆえに法律での保護が必要というのが大抵の関連書籍には書いてあります。

しかし、そのような法律上の保護があったとしても、労働条件の改善について個別に労働者が雇い主と交渉するのはなかなか難しい。個別であれば「雇い、雇われ」という関係の中で、どうしても雇われている方が、解雇などの不利益な扱いをされることを恐れて言いたいことも言えない状況になるからです。
そこで、労働者が労働条件の改善を目指して自主的に作った労働組合に使用者側との対等な交渉権を与えたのが労働組合法です。労働者が団結して組合を作ると、労働組合法により強い保護が与えられます。使用者側は交渉のテーブルにつくことを拒むことはできませんし、組合員に対する不利益な取扱い、組合に加入しないことを条件として雇用契約を結ぶなどは「不当労働行為」として禁止されています。
労働組合と使用者側とで労働条件について取り交わした約束ごとは文書にして「労働協約」となりますが、就業規則よりも優位となり法令の次に効力を認められます。

かくして、労働組合法は労働法の中でも重要な法律となったのだと思います。労働組合などないのが当たり前のような現実があるのに、社労士試験で労働組合法についてよく見かけるのは、作問者が労働法の専門家でありそのような認識があるからだろうと私は思っています。
ブラック企業などと噂される会社が当たり前のように存在する今こそ労働者の団結が必要だと思いますが、労働組合の組織率は18%程度と言われています。
組織全体からみると、組合活動が政治的イデオロギーと結びついたり、巨大な権力を持つに至った結果の上層部の腐敗、会社側との癒着、労働者個人からみると休日に動員されるとか、活動のために自分の時間をとられるとか、そんなことで組織率が下がっていったのでしょう。
私の持っている本に「組合は酒場から生まれた」と言われていると書かれています。過酷な労働条件の中で酒によって疲れを癒していた労働者たちは、仲間と団結することが使用者に対抗する手段だと悟るのです。
労働者側が個人での限界を知り、組織となることの強みを理解し、仲間とともに良くなろう、そのためのめんどくささはある程度受け容れるしかないと思わない限り、労働組合の組織率は上がらないのだろうと思います。

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