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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

公益通報者保護法を読む

昨日、所属する社労士会の研究会の例会があり、そこで「公益通報者保護法」についての原稿が提出されたため、私も同法を読んでみました。
これは、平成16年制定ですから、比較的新しい法律です。
自分の働いている会社などが、よろしくないことをしている場合、労働者としては労働基準法違反については、労働基準監督署に申告することができます。
しかし、労働基準法は労働時間、休暇、休日、賃金など限られた事項、主として労働者の労働条件についての最低基準を定めていますから、それに当てはまらない会社の不正行為については告発の手段がなかなかなかったわけです。
公益通報者保護法では社会的利益を損なうような行為について、関係行政機関やその他必要があると認められる第三者に通報することができるとして、それをした労働者に対する解雇などの不利益な取扱を禁止し、労働者保護とともに企業の法令遵守を促す目的があります。
公共工事の談合、不正な経理操作、リコール隠しなどがよく明るみに出て問題になりますが、内部告発の場合も相当あり、裁判例なども積み重なってきたための立法です。

私が覚えている例は、有名老舗菓子メーカーがケーキの製造過程で床に落としたときも、3秒以内に拾えば大丈夫などとして、落としてもそのまま売り物としていたというものや、有名老舗乳製品会社が腐りかけた牛乳を原料に製品を作っていたとか、そんなことでしょうか。
その他にも粉飾決算とか、総会屋への利益供与、談合などはよくメディアをにぎわせます。
法律制定前は、内部告発がばれると解雇、退職強要、望まない転勤をさせる、閑職や望まない職種に追いやるなどの嫌がらせなどが横行していたと思われますが、法律制定により、裁判などで争えばこの法律をもとに判断されるようになっていると思います。

定義づけとしては、通報する内容については、労働者の個人的利益やただ単に損害を与える目的などの不正な目的ではなく、会社などの不正行為を通報する行為がこれにあたります。
裁判所の判断基準としては、その告発の真実性、または、真実と信ずる相当な理由の有無、思い込みや間違った内容の場合には、この前提条件がくずれますから保護には値しないとなります。
告発行為により法違反や不正が正され、結局、企業のためになり社会のためにもなるというような点も裁判では重要視されているようです。
また、告発の仕方の妥当性についても判断材料となります。社内に通報窓口などがあるのにいきなりマスコミを利用するような場合には、事情を勘案してそうする方法がよかったのかが厳しく問われることになります。

内部告発というのは、とても勇気のいることだと思います。映画や小説の世界では生命の危機さえあったりするような巨大組織との対決などもありますが、どんな組織でも一個人が組織と対決するのは覚悟がいります。
会社側もメディアでとりあげられたりすると信用を著しく害することになります。裁判にでもなると費用、時間、その他のエネルギーは想像を絶するというのが経験者の弁です。
会社としては、まずは法令遵守して、従業員に会社に対する信頼と誇りを持ってもらうこと、相談窓口なども設けて社内の風通しをよくするということが重要になってくるでしょう。

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