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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

年金切り替え漏れ救済法案成立

現在の年金制度では、20歳から60歳までの国民は原則として国民年金の被保険者となります。自営業等会社などに雇われていない人は第1号被保険者、公務員、会社員(役員含む)などは第2号被保険者、第2号被保険者の扶養家族となっている配偶者は第3号被保険者となります。第3号被保険者は主として専業主婦(夫)というようなイメージです。
第3号被保険者については、原則として年収130万円未満が条件です。国民年金保険料を自分で納めなくても、配偶者が所属する制度全体で拠出金を負担するため、一定の要件を満たせば将来加入期間に応じて基礎年金を受け取ることができます。
他方、第1号被保険者の配偶者は収入がない又は130万円未満で扶養されていても自分で国民年金保険料を支払わなければ将来基礎年金は受け取れません。
このあたり、配偶者の職業により同じ年収のパートタイマーであっても国民年金保険料を支払う人と支払わない人がいる、また、第3号被保険者分は制度全体から拠出して支払うため、その制度に属している独身者や共働きの人が不公平感を持つという問題があります。

現在、第3号被保険者は約1000万人います。
さて、今日のお題にした法案というのは、その第3号被保険者は、配偶者が退職して自営業となった場合などには第1号被保険者となるための種別の変更届が必要になるのですが、その届出をしていなかったために、本来第1号被保険者となるべき期間が空白(未納期間)になってしまい、将来受け取る年金額が減ってしまう人について、10年間さかのぼって年金保険料を納めることができるようにするという法案で、先週国会を通過して成立しました。
通常は時効があり2年間分しかさかのぼることはできませんが、3年間の期限(2015年から2018年)つきで10年まで追納できるとするものです。
追納しなかった場合も未納期間とせずに年金受給資格期間には反映することになります(額には反映されない)
現役世代で約42万人の人が該当するそうです。
また、すでに年金を受給している人で空白期間も3号被保険者として本来の額より多く年金を受け取っている人が53,000人いるそうで、その人たちも50歳から60歳までの分については追納できます。追納状況に応じて10%を上限に年金額を減額する(2018年4月から)という内容も含まれています。
民主党政権時代に廃案となった法案が今国会で成立したものです。

政治家の皆さんは国民に対してよく「自己責任」と言います。自分で請求の手続をとらない限り1円たりとも受け取ることができない年金制度もかなり「自己責任」的ですが、この問題については、影響が大きいと考えたようです。
私が疑問に思うのは、配偶者が退職すると会社の健康保険の資格がなくなりますから(要件にかなえば2年間は任意で継続することができますが)、当然国民健康保険の手続を市区町村窓口でします。
そのときに、年金についても手続をするように窓口でアナウンスしないのかなということと、「年金はどうなるんだろう」とご本人は思わなかったのかなということ、また、退職した配偶者も届出をせず夫婦で年金保険料を支払わないという状況だったのだろうか、など、疑問はいろいろ湧いてきます。
該当者に事情を聞いてみたい興味もわきます。

いずれにしても、この切り替え漏れが多数あることがわかったときに、2年間さかのぼって支払えば残りの全部の未納を帳消しにするとした対応よりはずっとよい結論になったと思いますが、まじめにコツコツ支払ってきた人との不公平感は払拭できないなと感じます。
なお、この問題が今後起こらないように、事業主経由で第3号被保険者でなくなったことを日本年金機構が知ることができるようになるということも法律の内容となっています。

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