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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

今後「雇止め」トラブル増加か?

今朝の朝日新聞の片隅に、不当な雇止め(契約更新しないこと)として提訴した事例が掲載されていました。
あるコーヒーチェーン店にアルバイトとして3か月ごとの契約を更新し続けていた女性が、通算9年働いていたのに今年6月雇止めされたことについて、不当だとして訴えたとのことです。
雇止めについて明確な理由は示されていないそうです。
労働契約法の改正により通算5年働いた有期雇用者について、本人が申し込めば無期契約に転換しなければならない(今年4月1日以降カウント開始)ため、長く働いた人についてそれを避けるために早々契約を打ち切っているのだろうと、原告側は主張しているそうです。
労働契約法の改正では、有期契約を無期契約に転換するというところが大きく話題になっていますが、実は、雇止め法理の条文化も企業にとっては重要なポイントになると思います。

第19条ですが、反復更新している契約で期間の定めのない労働契約と同視できるような契約の場合と、契約満了時に更新されることを期待できる合理的な理由がある場合は、労働者が更新の申込をしたときに、使用者側に客観的で合理的な理由がなければ、雇止めできずもとの労働条件のまま更新申込を承諾したものとみなす。というものです。

「期間の定めのない労働契約と同視できる」契約とは、個別具体的に判断することになりますが、判例法理では、①業務内容(恒常的か臨時的か)、②更新の回数、通算期間、③契約管理の状況(契約書の取り交わし、手続)、④更新の期待をもたせるような言動の有無、⑤他の同種の労働者の状況などから判断するとなっていて、今般の改正条文に反映されています。
例えば、その会社でそれなりの期間働いていて、仕事内容も臨時的なものではなく、契約書を交わしていても更新することが当たり前のような雰囲気があったとしたら、それはかなり「期間の定めのない労働契約」に近いと判断できます。
そのような場合、使用者側が会社の業務の関係であなたはもう必要ないから更新しませんと言ったときに、その使用者側の理由が社会通念上相当性があるのかないのかというところで判断されます。
これは、会社の実情により違いますから簡単には判断できません。
会社としては、トラブルを避けるために、最初から更新回数の上限を示しておくとか、更新するごとに次期の更新をしない理由をきちんと示すなどの方策が必要でしょう。

通達では、19条でいう労働者側の「更新の申込」について、更新を拒否されたときに何らかの反対の意思表示でよいとしています。
国会答弁では、「嫌だ」「困る」という反対の意思が伝わる言動でよいとされていて(菅野「労働法」第10版)、使用者側はこのあたりのところも注意が必要だと思います。
勉強すればするほど、いろいろ出てくる労働契約法。これからも記事にすることになると思います。
夏の間に勉強して、秋には規則の変更案などお客様に提案しなくてはと思っています。

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