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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「派遣」の現場では何が起きているか?

先週、新聞の投書欄に派遣社員の方の経験談が掲載されていました。


その方の派遣された会社では、難しく煩雑な仕事ほど派遣社員に回され、繁忙期には正社員よりも1時間以上遅く退社する日も多かったそうです。


ある40代の女性正社員は就業中韓流スターのサイトを堪能し、周囲へのしわ寄せがたまる一方だったため、上司である課長に訴えると、「社員は社員で忙しい、派遣でやって」とのことで、全く対処してくれなかったそうです。


残業は5分単位で申請できるはずなのに、「5分程度の残業はつけるな」と責められ、新システム導入の会議にも参加させてもらえなかったということで、1年間一生懸命働いたけれど結局次の更新を断念したという内容でした。

これが事実だとすると、「派遣の現場」というのは相当わけのわからないことになっているんだなという印象です。


まず、残業代についてですが、派遣社員の雇用主は派遣元の人材派遣会社ですから、給料は全て派遣元の負担です。残業についても残業する必要があるなら派遣元と派遣社員が労働基準法36条に基く労使協定を結ばなければなりません。


派遣先会社は派遣元と「こういう社員を派遣してほしい」という話し合いの中で労働条件なども決めて、派遣元会社対派遣先会社ということで人材に対する対価を支払う契約をしていると思います。


派遣社員対派遣先会社の関係については、派遣先会社は派遣社員に指示命令して働いてもらうことができますが、直接派遣社員を雇っているのは派遣元なので、派遣社員は労働条件については派遣元と話し合い契約をしているはずです。残業について約束と違うのであれば、派遣元会社に抗議するのが筋ですが、そんなことをすると「じゃあ、あなたの派遣先なんてありませんよ」とかなんとか言われてしまうのでしょうか。


派遣先会社も派遣社員と直接の雇用契約はしていなくても、自社の中で指示して働かせますから、休憩をきちんととらせたり、安全に配慮して働いてもらうなどの義務は負います。しかし、派遣社員とは直接の雇用関係はありませんから、会議に参加させないというのもひとつの方針として間違っているとは言えないと思います。私としては、同じ仕事をすることになるのだから、会議に参加してもらって仕事に対する理解を深めてもらった方が会社のためだろうになとは思いますが。


この会社のおかしいところは、会社にとってコストの高い正社員をのんびりさせているところでしょうか。人件費を削りたくて派遣社員を利用しているはずなのに、もっと大本の誰がどういう労働をしてどれだけのコストが必要かというようなことが、全然考えられていないのでしょうか。


私が経営者だったら、できる限り派遣社員を利用したくはありません。机を並べて同じ仕事をするのに、給料の額も支払先も違うということでは、良好な人間関係が築けないと思います。1日のうちのかなりの時間を過ごす職場を楽しく生き生きさせることが、長い目で見て業績アップにつながるのではないかと思います。良い仕事は信頼できる良い人間関係があればこそと思います。


うつ病になる労働者が増えているそうですが、人材というのはお金以上の財産になり得るということを経営者の方はもっと自覚していただきたいなと思います。派遣社員を使うなら使うで、そこで働く人が嫌気がさすような職場では、その会社の将来はないのではないでしょうか。

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