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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

反倫理的な内縁関係にも遺族年金支給

今日の朝刊に、民法が禁じる近親婚の関係にあった女性に遺族年金を認める最高裁判決が出たと載っていました。(参照 新聞記事なので時間がたつと消えるかもしれません)


遺族年金は実態を重視しますから、内縁関係であっても夫婦同然の実態があれば支給されます。重婚的内縁関係の場合でも、法律婚の方が実体を全く失っていれば、事実婚の方が優先されます。


しかし、近親婚等、法違反となるような内縁関係は認められないという通達があり、私もそのように理解していました。

このケースはおじと姪の事実婚ですが、「反倫理性、反公益性が低ければ受給権は認められる」との判断を示したものです。この事案の女性は42年間おじと夫婦として暮らし、子供も2人いて、そもそもの結婚が一族の長が決めたことで、農村部などでは3親等間の婚姻が受け入れられていたという社会的背景もあったことが考慮されたものです。


裁判所も親子などの直系血族や、兄妹などの2親等の傍系血族関係については、「反倫理性が極めて強い」として受給権は認められないとしています。


一審は女性の勝訴でしたが、高裁で逆転敗訴となり、最高裁ではまたひっくり返って女性の勝訴が確定しました。


女性は67歳とありますから、年金が受給できるかできないかはこれからの人生を左右する大問題だったと思います。「実態を見る」という原則を最高裁が貫いたということでしょうか。事実婚の期間の長さや地域的事情を特別な事情として認めたということだと思います。


元社会保険庁長官の裁判官だけは二審を支持する反対意見がついたそうです。この裁判官については原告側が「裁判の公正が妨げられる」と忌避(参照)していましたが、認められなかったそうです。何故認められなかったのかちょっと疑問です。


最高裁判決が出た以上、全ていちがいに「法違反となるような内縁関係は認められない」と言い切ることはできなくなったということだと思います。年金というのは個別に細かく事情を考慮していかないといけないのだなあと、改めて思いました。

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