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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働法の精神を踏みにじる特区構想

安倍政権は、従業員を解雇しやすくしたり、一定の収入があれば時間外手当をなくすなどの、国家戦略特区を設ける構想を打ち立てているようです。
報道によると、現在の解雇は「社会通念上相当」な理由がなければできませんが、特区では労使の契約により「遅刻したら解雇」というようなことも成立するとあります。
現行の法律では、1回ぐらいの遅刻で解雇はまずできませんが、そういうことも可能になるとあります。また、一定の年収があれば労働時間の規制を外すという以前ぽしゃったホワイトカラーエグゼンプションも復活させたいようです。
それらは、開業5年以内の企業に適用して、起業やベンチャー企業の進出を促すということだそうです。
その他にも外国人労働者の比率が3割以上であれば、有期契約を5年繰り返しても無期雇用にしなくてよいとして、外国企業が進出しやすくするそうです。

契約次第でどんな場合でも解雇できるとするのは、一見契約自由の原則にのっとっているかのごとくです。しかし、「雇い雇われ」という特殊な契約関係に契約自由の原則を持ち込むと、雇われる方が圧倒的に不利な条件を押し付けられる可能性があるということで、労働法で修正しているはずです。
それらの法律を無視する形で特区を作るということは、同じ国の中で無法地帯が現れるということであり、法治国家としてはどうなんだろうと思います。
憲法にある法の下の平等にも抵触する可能性があります。
解雇しずらいのを何とかしたいというのなら、法律の改正をするべきだと思います。現行法がそんなに社会が成長することを阻害しているというのなら、はっきりと根拠を示し、国民の理解を得る努力をしつつ国会で審議して法改正すればよいと思います。
何故、一部地域だけ無法地帯にするのか私にはわかりません。

そもそも、現政権はどういう社会を作りたいんだろうか。
成長、成長というけれど、何をどう成長させたいんだろうか。この社会のありようをどうしたいんだろう。まあ、それは明治時代に戻したいらしいというのが私の感想ですが、現政権はそうは言っていないので、よくわかりません。
労働時間の規制が何故あるのか。長時間労働をしている労働者が心身の健康を害するという事例は枚挙にいとまがなく、国際的にみても日本は長時間労働だということで規制が行われたはずです。
有期契約を無期契約にするということについても、増え続ける非正規雇用の労働者を守るための立法だったはずです。
今、そのような立法の精神を無視して、法規制を除外することに差し迫ったどういう理由があるというのでしょうか。

特区構想は、スキルのある労働者が自分の思い通りばりばり働くための制度という言い逃れができるかもしれません。
そうであるならば、年収など一般労働者よりずっと高く設定しなくてはならず、一般労働者が安くいいように使い捨てされるような制度になるのなら私は反対です。
この話は早々につぶれるかと思いきや、10月半ばからの臨時国会に法案を提出する方針とかで、随分強気なんだなあと思います。どうなるのか注目したいと思います。

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