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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働契約法改正の混乱

「5年たつと無期契約にしないといけないんだったら、最初から有期契約は5年までと決めちゃいけないんですか?」
「それを積極的に勧めて、あちこちで言ったり書いたりしている企業側弁護士さんもいるにはいるんですけれどね。何となく脱法行為的に見えなくもないですよね。今後、法律が施行になるといろいろな事例がでてくると思いますから、それを見てからでないとなかなか判断が難しいですね」
労働契約法が改正になり施行まで間があった昨年、ある事業主さんと上のような会話を交わしました。
その会社は全体の4分の1ぐらいがパートタイマーで、長く勤めている人も多いのですが、結局、法律どおり本人が申し込んだ場合は無期契約に変えるという内容で、パートタイマーの就業規則の見直しを進めることになりました。
しかし、世間では有期契約は5年までとするルールを作る動きがあるらしく、某有名私立大学ではちょっとした騒動になっていることを今朝の新聞記事を読んで知りました。

新聞記事によると、その大学では労働契約法改正に合わせて非常勤講師の雇用期間の上限を5年にする新しい就業規則を作ったらしく、それを不満とする非常勤講師側が労働組合を作り、反対する過程で刑事告訴にまで発展したとありました。
記事だけでは話の顛末がよくわからないので、ネットで検索してみると情報が山ほどありました。
その大学は名前を聞けば誰でも知っている有名私立大学ですが、非常勤講師が3,800人もいるそうで、専任教員の2,200人より多いそうです。
労働契約法改正の4月施行の前に大学側が有期契約の更新を5年まで、1週に担当する授業は4コマまでとする新しい就業規則を作り、該当講師に3月に規則を郵送したそうです。

就業規則の作成や改正には労働者の過半数が加入する労働組合がある場合は労働組合、ない場合は民主的方法で選ばれた労働者の代表者の意見を聴くことが労働基準法で義務づけられています。
大学側は、2月に非常勤講師の控室に過半数代表者の選挙をする旨の講師の人数分の書面をおき、正当に代表者を選んだとしていますが、この期間は入試期間中で大学構内は立ち入り禁止であり、授業がないため、ほとんどの講師は大学に行かない時期だそうです。
講師側労組は就業規則改正に重大なルール違反があるとして、労働基準法90条違反(注1.)で刑事告訴したというのが検索してわかったことです。
この規定に違反した場合は罰金30万円です。

[注1.]労働基準法第90条 使用者は就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合はにおいては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

大学の教育現場というのも結構ヒエラルキーがあるとは聞いていましたが、非正規と正規の間の待遇格差は相当あるそうで、(それもネットでみた情報で正確かは定かではありません)非正規をうまく使って人件費を浮かすという構図は民間企業同様のようです。
正規雇用と非正規雇用の垣根をとっぱらうしか現状の打開はないかもしれません。
結局行き着く先は「同一労働同一賃金」で正規雇用者と非正規雇用者の格差を埋めるしかないのかなと思います。

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