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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる15年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

限定正社員より同一労働同一賃金を

政府は雇用の流動化をすすめれば雇用がもっと生まれるという立場のようです。
その方法の一つとして、職種や勤務地を限定した「限定正社員制度」の普及を推奨しているようです。
政府の規制改革会議雇用WGの報告書をまとめたメンバーの方が、全国社会保険労務士会連合会の会報に寄稿していらして、限定正社員制度の必要性を説いていらっしゃいます。
通常の正社員は、勤務地も職種も労働時間すら自分の希望どおりにはなかなかいきません。会社の命ずるままに受け容れざるを得ません。
その分、雇用が保障され待遇が手厚くなっているのですが、他方では、そのような社員を抱えきれない会社は非正規雇用者をどんどん増やしました。
さらには家庭を守らなければならない女性の社会進出も阻んでもいます。

政府に言われる前に、すでに全国展開する大企業を中心に勤務地や職種を限定する限定正社員制度は行われています。
多少待遇面で劣っても、転勤などがない働き方をしたいという人もいますし、会社にとっても優秀な人材(特に女性)を確保し続けることができるというメリットがあります。
前述の筆者によると、限定正社員はけして解雇しやすいわけではなく、解雇ルールはそのまま適用になるので、雇い入れの段階できちんとした説明をして理解して納得の上で働いてもらう必要があるとしています。
勤務地や職種がなくなったための解雇となると「整理解雇」となり、普通解雇よりも要件が厳しく、特に「手続きの相当性」などが厳しく問われるからです。

さらに、限定正社員制度のメリットについて言及していらっしゃいます。
子育てや介護などライフスタイルにあわせて働いても雇用の安定が確保される、職務限定の場合は、自分のキャリアを明確にして働き、苦難があってもプロとして組織にしがみつかず、自分の力で未来を切り開いていけると書いていらっしゃいます。
一方、従来型の無限定正社員については、会社・組織にしがみつき、「なんでも屋」になることでひたすら「今の安定」を求める生き方で、処遇はよく、雇用も最優先で守ってもらえるが、家族や自分の生活、キャリアの一貫性は犠牲にならざるを得ないと、かなり手厳しい評価をしています。

現実には、無限定正社員であっても「追い出し部屋」などに追いやられることはあるし、高度経済成長期にあった「正社員だから安定している雇用」というのは、もうとっくに崩壊しているように思います。
限定か無限定かなどというのは、雇用契約を結ぶときに個別にいくらでも契約できるはずですから、各企業に任せればよいことであり、政府がいちいち言うことでもないのではないかと思います。

私がむしろ不思議に思うのは、「限定正社員だから待遇が悪くて当たり前」とする考え方です。会社の都合のいいように働いてもらえないんだから当たり前ということなのかもしれませんが、待遇はその人の会社への貢献度で計るべきではないでしょうか。
勤務地や職種を限定することにより、その地域、その仕事についてはすごいスペシャリストになるかもしれない。このことに関してはこの人というような人がたくさんでてきたら、それは会社にとって有益ではないかと思います。
社員の待遇は、あくまでもその人がどういう仕事をしたかで判断すべきで、職種限定、勤務地限定で判断すべきではない、だから、同じ仕事で同じ実力なら基本給は同じでなければならない。転勤に応じられる人については別途手当などで差をつければよいのではないのかなと思います。

前述の筆者の言う「会社にしがみつかず、キャリアアップする生き方」は、同一労働、同一賃金を実現すれば、簡単に実現できるのではないか、むしろ、そっちが先なのではないの?
そんなことを思う、今日はどんよりと曇りの肌寒い当地でございます。

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