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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パワハラの労災認定

職場のパワハラについては当ブログでも度々取り上げています。(一番最新の記事はこちら)
厚生労働省の発表では、昨年の労働相談の内容で解雇を上回りパワハラ、いじめ、嫌がらせが相談件数のトップになったそうです。
人が集まれば、中にはいじめ・嫌がらせなど平気でやる人がいるものですが、その程度がかなりひどい場合があり、厚労省も深刻な問題としてとらえているようで、専門サイトなどをつくっています。(
参照) 
裁判例なども掲載されていて非常にわかりやすく書かれていますので、参考になると思います。
それだけ、行政側は危機感を持っているのだと思いますが、企業にはまだまだ浸透していないようです。今朝の朝日新聞には、職場のいじめ・嫌がらせによりうつ病になった人たちが労災を申請してもなかなか認めてもらえないという話がのっていました。

多くは客観的事実が確認できないということで却下されてしまうようです。パワハラの場合も同僚同士のいじめ・嫌がらせも、回りは気がついていても知らん顔して助けてくれないというようなことがあると、本人が孤立して精神的ダメージも大きくなります。
職場の中で、そういうことは許さないというような断固とした態度を会社がとれば、職場の雰囲気は随分変わると思います。経営者の意識次第ということになります。
労災の申請は会社の管轄の労働基準監督署に行いますが、却下された場合には、各都道府県の労働者災害補償審査官に不服申し立て(審査請求)ができます。
それが却下された場合には、さらに労働保険審査会に再審査請求ができます。
そこでもだめなら、あとは裁判を起こすしかなく、お金、時間、エネルギーを使うことになり、なかなか裁判までは難しいと思います。

手持ちの最近の判例集を見てみますと、同僚のいじめによる精神障害の発症について不支給の取り消し処分が認められた事例があります。(京都下労基署長(富士通)療養補償給付不支給処分取消事件 大阪地判平22.6.23)
パソコンの操作の講師を主な業務としていた女性社員に対して、同僚の女性社員数名から営業の仕事をしていない、職務等級が自分たちより上(給料差1.5倍以上)なのに、自分たちとそれほど変わらない仕事をしていて、自分たちより高い給料をもらっていると、ねたみや逆恨みのような感情を持たれて、いやみや悪口を言われたり、書類の受け渡しについて嫌がらせをされたりしたため、体調をくずし休職となった事例です。
職場の上司等に複数回相談して、配置転換してほしいとまで申し出ていますが、会社はあまり深く考えることもなく、何の対応もしなかったと裁判で認定されています。

この事例では、いじめの態様が個人が個別に行ったものではなく、集団でなされ、長期間継続して陰湿で悪質ないじめがあり、心理的負荷が強度であると認定されました。
会社が何の対応もとらなかったことも原告(いじめられた社員)の失望感を深めたとされています。
会社としては、双方から事情を聴いて、いじめている側の不満についてきちんと合理的な説明をするべきだったと思いますし、同僚に迷惑をかけ職場の風紀を乱しているわけですから場合によっては懲戒処分もあり得ると思います。
また、本人の配置転換の要望なども考慮するべきだったと思います。
たいしたことではないと思っていると、重大な結果を招くこともあります。経営者は職場の人間関係について敏感にならなくてはいけない時代なのだと思います。
厚生労働省では、精神障害の労災の認定基準を発表しています。興味のある方はご覧ください。(参照

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