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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

遺族年金の男女差に違憲判決

講師の仕事に行かなければならなかったため書き損ねましたが、25日に民間でいえば労災にあたる補償金を支給する地方公務員災害補償基金に対して、遺族補償の男女差が違憲だとの大阪地裁判決が出ました。
勤務先の校内暴力などでうつ病を患い自殺して、「公務災害」と認定された女性教諭の夫の訴えが認められたものです。
労働者災害補償保険にも同様な規定があるのですが、遺族補償年金は妻には無条件で支給されますが、夫には55歳以上という年齢制限があります。
これが「法の下の平等」を定めた憲法に違反するとされたものです。
地方公務員災害補償法はわかりませんが、労働者災害補償保険法は昭和22年の制定です。この当時は結婚した女性はほとんど専業主婦であり、夫に先立たれればすぐに生活に困る、しかし、夫は働いて自分で生活費を得ているので、妻に先立たれてもすぐに生活に困るわけではないというような考え方だったと思います。


しかし、社会経済情勢は大きく変わり、女性も働いて家計を担う場合もふえていますし、特に公立学校の教諭の給料は男女差がないはずですから、家計に占める影響は大きかったものと思われます。
報道によると、裁判では、90年代には共働き世帯が専業主婦世帯を上回ったこと、男性の非正規雇用が増えるなど日本型雇用慣行が変容したことを指摘したそうです。
従って、配偶者の性別により受給権が異なる取り扱いは合理性がないとして、「差別的で違憲」としたとあります。
労災補償については、私も夫に55歳以上という制限があることはもちろん知っていました。多少のひっかかりはありましたが、日本では、まだまだ男女の賃金格差なども大きく、一般的には妻に死なれた夫より夫に死なれた妻の方が生活に困窮するので仕方ないのかなとも思っていました。
裁判所は、そのような「何となく仕方ないかな」というようなあいまいな言説を吹き飛ばし、その差別に合理性があるのか、法の下の平等に抵触しないかという点で判断をしたものと思われます。

これを受けて、厚生労働省ではすぐには法改正などはないと発表しましたが、いずれは労災補償保険法や厚生年金保険法にあるような同様な年齢制限など見直さなければならなくなるのではないかと思います。
現実に、「子のある妻」のみに支給されていた国民年金の遺族基礎年金が妻が亡くなった場合の「子のある夫」にも支給される改正が来年4月から施行されます。(子とは18歳年度末までか一定の障害のある20歳までの子)
最近、非嫡出子に対する相続差別が違憲とされたり、「法の下の平等」という判断基準がよくでてきます。
法律で何等かの制限や差別等を設ける場合には、あくまでも合理的なものでなければならないという考え方の根拠ですが、当たり前のようでいて実は見直してみると不合理な差別が法律の枠内でも行われている可能性があります。
その根底には社会経済情勢の大きな変化があるわけですが、この社会に生きる人を生きやすくするために法律があるわけですから、当然法律も変化していかなくてはいけないはずです。
そんなことを教えてくれる違憲判決でした。

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