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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

職場の違法を認識したとき

先ごろ、連合総研では第26回「勤労者の仕事とくらしについてのアンケート」調査結果を公表しました。(参照)
概観によると暮らしぶりがよくなったとはあまり感じていなくて、失業不安を感じている人も3割を超えていて、勤労者の生活はまだまだ悲観的な見方が多いようです。
いろいろと興味深い結果がでていますが、自分の職場で何らかの違法なことが行われていると思うと答えた人が業種を問わず30%前後います。
99人以下の事業所では35%とかなり多くなっています。

どんな違法かということについては、残業代未払が一番多く19.3%、有給休暇がとれない14.4%と続き、以下、労災隠し(労災なのに健康保健で治療させる)、雇用保険、社会保険(健康保健と厚生年金保険)に未加入、産前産後休業、労災による療養中の解雇と続いています。
この中でどれもよろしくないのですが、労災隠しは本来絶対にやってはいけないことだと思います。労働者の受ける不利益が大きいと思います。

まず、治療費の負担が健康保健だと3割ですが、労災は0です。障害が残ったときの補償も手厚いですし、退職後も治るまで同様の治療を受け続けることができます。休業したときも平均賃金の8割(うち2割は保険ではなく労働福祉事業から)が補償されます。
そもそも、事業主は労働者に働いてもらって利益を得ているわけですから、仕事中、仕事をしていることによる事故、病気等についての補償義務が労働基準法で決められています。
しかし、大きな事故などが起きて補償額が莫大になったときなど、財力がない事業主が補償できないとなると泣くのは労働者ですから、それはまずいということで、国が強制的に管掌して労働者災害補償保険を運営しています。
雇用形態、労働時間に関係なく人を一人でも雇ったら加入して事業主が全額保険料を負担します。
労災が起きたときに「うちは加入してないからダメ」と言っても労働者には責任がありませんから補償は受けられます。強行法規により運営されている強い保険なのです。

残業代未払もばれたときには、賃金時効が2年ですから2年間分さかのぼっての支払い、裁判になったりして悪質な場合は支払額と同額の付加金の支払いを命じられたりしますので、事業主にとっては結構な負担となります。

さて、違法を認識したときにどんな行動をとるかとの質問には、44.6%の人が何らかの行動を起こすと答えています。何もしないが14.1%、何もせず辞めるが18%、残りはわからないです。
その中身は上司、経営者に話す47.8%、同僚に相談38.5%、労働基準監督署に申告36.4%、あとは行政の労働相談、労組、NPO、弁護士、労働審判を含む裁判と続いています。残念ながら社労士とか、社労士会はなかったです。
労働問題専門の弁護士さんを除けば労働・社会保険諸法令については、普通の弁護士さんより私は絶対精通しているという自信があるのですが・・・。
それはともかく、行動を起こす人がまずはもっと増えることかなと思います。
違法状態の場合、事業主側の無知と無理解が原因の場合もあります。声を上げることにより少しずつでも変わることが期待できます。とはいえ、ごちゃごちゃもめるよりさっさと転職しちゃおうと考える気持ちも私はわかります。

本来、労働法上の様々な義務の多くは事業主が負っているのですから、事業主側が高い意識を持って普段から法令遵守を心がけていれば、そういう問題にはならないのであって、労働者が声をあげないと変わらないというのは、なんか違うなという気もするからです。
調査結果にはその他、職場でのメンタルヘルスの問題、ブラック企業のことなどがあり、アベノミクスで浮かれている場合じゃないよという気になりました。(私は全然浮かれてません。むしろ沈んでますが、最近の社会の空気が浮かれてる感じがするのです)

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