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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

休職期間中の社会保険料

先週、所属する社労士会の研究会で実務的に興味深いやりとりがありました。
私傷病で休職期間中の社員の社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料40歳以上は介護保険料含む)を、健康保険から給付される傷病手当金から控除できるかということです。
普通、休職期間中の賃金は無休としている会社が多いと思います。
しかし、社会保険料については在籍している限り納付しなければなりません。納付義務者は会社(事業主)です。(健康保険法第161条)
給料、賞与から社会保険料が控除できることが認められているため(健康保険法167条)、給料から毎月本人負担分を差し引いて会社負担分と併せて納付していますが、休職して給料なしとなるとそれができなくなります。
本人負担分については、会社がいったん立て替えて後でまとめて支払ってもらうとか、毎月本人に会社口座に振り込んでもらうとか、就業規則等で決めていると思います。
しかし、精神疾患などの場合、本人と連絡がとれなくなったりすることもあり、本人負担分について回収できなくなるというようなこともあるようです。
なお、雇用保険については、支払った給料に応じて保険料を支払うシステムですから、無給の場合は納める必要がなくなりますから、そのような問題は生じません。

研究会では、本人負担分を回収できるように、健康保険からの傷病手当金(私傷病で連続4日以上の休業をする場合に1日につき標準報酬日額の3分の2が支給される、支給始めから1年6か月の期間)を会社が代理受領してそこから社会保険料を控除して本人に残りを渡せば、本人負担分の回収もれを防ぐことができるのではないかという原稿が提出されました。
それについて、居合わせた会員はそのような経験が実際にはなかったため、どうなんだろーという話になり、終了後にメンバー同士のメーリングリストでいくつかのやりとりがありました。

健康保険法では、給付を受ける権利について、譲渡、担保供与、差し押さえ、租税公課を禁止しています。(第61条、第62条)
私は、これは権利をかなり強く保護している規定だと思っていますので、給付について会社が代理受領してそこから本人負担分の社会保険料を控除するという方法には、ちょっと違和感を感じます。
しかし、傷病手当金の申請書には受取代理人の欄があり、本人が委任するかたちで本人以外の人に傷病手当金を支払うことが可能となっています。
そのため、ネットで検索すると会社を代理人として社会保険料を控除して本人に渡すということが現実には行われているらしく、また、それを奨励している社労士もいました。

メーリングリストでは、保険料の控除について健康保険法で規定があるのは、給料、賞与から控除できるとしてあるのみなので、やはり、傷病手当金から控除するのは、まずいのではないか、傷病手当金が支払われるまで時間がかかるために会社が給付分を本人に支払ってあげたというような場合以外は認められないのではないかというような意見が出ました。
この「代理受領」がどうのような場合を想定しているのか、法律ができた当時にさかのぼって調べないといけないかもしれません。
と思い、ネットでさらなる検索をすると、代理受領とは本人が口座がないなどで金融機関から直接受領できない場合を想定しているらしく、たとえ、本人の委任により代理受領したとしても会社が勝手に控除したりすることはできないと、はっきり書かれていました。(全国健康保健協会長野支部HP)
その考え方は私も受給権の保護というところで、非常にしっくりきます。納得です。

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