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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働者の精神疾患は会社にとって重い負担

精神的な病気になる労働者が増えているようで、先週、所属する社労士会の研究会の例会の席でも、産業医を探すのに苦労する、特に精神科系はいないというような話がでました。
いても3か月先まで予約でうまっていると言われたなどという話もありました。
精神的な病気でも私傷病の場合は個人に責任のあることで、本来は会社に責任のないことです(過重労働、セクハラ、パワハラ、いじめなど会社に原因がなければ)から、労働者本人が体調に気をつけておかしかったら医者に行くなどの対応をするべきです。
しかし、会社ももし不調を知っていた場合には、精神科医による健康診断を実施するなどして、必要な場合は治療を勧めたうえで休職等の処分を検討して、その後の経過を見るべきだとした最高裁判例があり(日本ヒューレット・パッカード事件最判平24.4.27)、私も必要があって調べたのですが、会社は大変だなーと思いました。

被害妄想など精神に不調をきたした労働者が、加害者集団から監視されていて職場の同僚を通じて嫌がらせ等を受けているからと事実無根の主張をして、会社に調査を依頼し、断られたため、休職を願いでます。
しかし、会社が休職を認めなかったため、有給休暇を使い切りその後40日間欠勤したことについて懲戒処分の一つである諭旨退職処分とした会社の処分が無効となった事案です。
このような場合、多分、会社は困り果てるのではないかと思います。被害妄想の場合、本人に病気だという意識がない場合が多いそうで、なおさら対応に苦慮することと思います。
結局、何とかお辞めいただこうとした結果裁判となったのではないかと推察されます。

裁判所は会社に厳しい結論を出しています。
会社は、欠勤の原因が精神の不調とわかっていたわけだから、前述のように受診を勧めるなどしてまずは休職させるなどの措置をとるべきで、いきなり懲戒処分するのは間違っているとの判断をされています。
採用した以上、病気になったからと言っていきなり辞めさせるのではなく、会社のできることをしたうえで考えなさいということだと思います。
この裁判の会社は大手企業だからまだ対応がいろいろできるかもしれませんが、産業医を見つけるのさえ大変な中小企業ではなかなか難しいだろうなと思います。
これは最高裁判例ですから、今後結構重要視されるかもしれません。
企業としての対応、就業規則の整備なども考えなくてはいけないと思いました。

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