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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

企業の安全配慮義務の範囲

先月、先の震災で会社側の指示により建物の屋上に避難して津波にあって、死亡、又は行方不明となった銀行員の遺族の損害賠償請求に対して会社側に責任はないとした判決が出ました。
津波は当時の予報では屋上に行けば大丈夫な高さであり、想定外の高さだったためそれを予見することができず、責任はないとしたものです。
使用者には「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮」をする義務があります。
昭和50年の最高裁判決(陸上自衛隊八戸車両整備工場事件最判昭和50.2.25)以来、様々な裁判例で積み重ねられてきた考え方を、法律条文として明文化したのが労働契約法第5条です。(平成20年施行)
前述の裁判もこの安全配慮義務を根拠に会社の責任が問われたものです。
一審では責任は否定されましたが、企業としては想定外の災害にどう備えるかは喫緊の課題になっていると思います。

この銀行では災害時のマニュアルなどを作っていたこともあり、それらが評価されたとみる弁護士の意見が新聞に掲載されていました。
会社としては、やるべきことはやっているんですということをきちんと見せられるようにしておかなければならないでしょうし、実際に訓練などもしてマニュアルどおり動けるようにしておくことも必要でしょう。
東日本大震災が起きたときはあちこちで「想定外」という言葉が使われました。でも、一度「想定外」が起きてしまった以上、もう今後は「想定外」という言葉は使いにくいのではないでしょうか。「想定外」が起きることがわかってしまった以上、「想定外」はないと思うしかない。
とりあえず、各自治体などで公開しているハザードマップなどを確認すると、地震、水害などの危険度がわかります。
それらをチェックして事業所として社員の安全をどう確保していくかだと思いますが、中小企業などでは対策は進んでいないということも新聞紙上で読みました。企業もなかなか大変だろうと思います。
内閣府に防災のページがありますが(参照)、広報誌なども読めるようになっていてある程度のヒントはあります。

安全配慮義務には労働者に対する健康配慮義務も含まれます。法定の健康診断を受けさせることはもちろんですが、社員が過重労働やセクハラ、パワハラ、いじめ、などにより精神的な不調を起こしたときなど、会社の責任が問われる場合があります。
会社は労働時間管理をしっかり行うこと、セクハラ、パワハラなどについては相談窓口など作り不都合なことがあったらすぐに対応する、就業規則にも必要事項を条文化し、社員に対する啓発活動も行うなどが必要です。
常に、会社がどこまで対策をして、何かあったときにどういう対応をしたのかということが問われるのだと、企業は今後意識していかなくてはならないと思います。

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