FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

解雇規制と非正規雇用者の増加

我が国の解雇規制が厳しいために労働市場の流動化が進まず、社会にとってマイナスだという声をよく聞きます。
今月発表された公益財団法人日本生産性本部の「第14回日本的雇用・人事の変容に関する調査」(
参照)でも、その点について質問していますが、必ずしもそうではないと考えている関係者も結構いるようです。
この調査は、全ての上場企業が対象とあります。答えているのがどういう人かはよくわかりませんが、人事・労務関係部署のしかるべき地位にある人なんでしょうか。

「非正規雇用者の増加の大きな要因の一つは、正社員に対する解雇規制であり、労働力の円滑な流動促進のためには正社員の解雇規制の緩和が必要である」という考えに対して、
「必要だと思う」14.2%、「どちらかというと必要だと思う」26.6%で、約40%が肯定的意見です。この意見は規模が大きいほど多くなり、5000人以上の企業では50%が肯定的意見です。
一方、「全く必要だと思わない」9.5%、「どちらかといえば必要とは思わない」14.2%と、否定的な意見が23.7%、どちらともいえないが35.5%で、肯定的意見というのは多くても半分なんだなということがわかります。
どちらともいえないというのは、個別の状況によって違うということなのでしょう。能力的に問題があるとか、社内秩序を乱すなどで、辞めていただきたい人がでてきたときには、規制がもっとゆるければいいのにと感じる場合があるでしょうし、回答した人が経営者ではなく従業員という立場の人だとすると、真面目に一生懸命やっているのに、わずかなことで辞めさせられては困るということもあるでしょう。

解雇規制の法律は労働契約法にある「解雇は、客観的合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(16条)というものです。
解雇する権利は使用者にありますが、濫用すれば無効であるという内容になっています。
「客観的に合理的な理由」、「社会通念上相当」というのは、常識的にみて多くの人が納得できるような理由ということだと思いますので、私にはごくまっとうな条文内容に見えます。
非常識な理由で解雇できるとしたら、それこそ大変ですから、解雇規制を緩めるとはどの程度ゆるめるのかがよくわかりません。
また、何故それで非正規雇用者が増えているのかというところも、よくわかりません。正規雇用者が辞めさせられた後の穴埋めを非正規雇用者から選ぶという話はあまり聞かないし、一度非正規雇用者になるとなかなか正規雇用者になれないというところが問題なのに、それに関する法的な規制は何もありません。
非正規雇用者の増大は、正規雇用者に比べて期間を区切って雇えるとか、低賃金でよいとか、労働、社会保険料負担も給料に連動しているため少なくてすむので、企業にとって都合のよい労働力になるからということが大きな原因だと思います。
同一労働・同一賃金をすすめるとか、非正規雇用者を正社員に転換する制度を積極的に導入するように、何らかの法的規制をするとかしないと、非正規雇用者の増加は止まらないのだろうと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する