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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

求人票と労働条件が違う場合のホットライン

厚生労働省は、ハローワークの求人票と実際の労働条件に違いがあった場合の相談窓口として、「ハローワーク求人ホットライン」を開設しました。(参照)
平成24年度の調査結果が同時に発表されていますが、ハローワークへの苦情件数は7783件です。多い順に、賃金(26%)、就業時間(18%)、選考方法、応募書類(13%)、職種内容(11%)雇用形態(9%)、休日、社会保険・労働保険(ともに8%)となっています。
求人票より良い条件であれば誰も文句を言いませんから、すべて書かれていたより悪かったということなのだろうと思います。
周知用リーフレットには「賃金が低い」「仕事の内容が違った」「正社員のはずが非正規だった」などの例が挙げられています。

職業安定法では、公共職業安定所や職業紹介事業者その他労働者の募集を行うものについて、賃金、労働時間その他の労働条件の明示を義務づけています。(5条の3、42条)
ハローワークの求人票には賃金や業務内容、就業時間、休日などいろいろ細かく記載するようになっています。
法律的には、この条件は見込みであり労働契約を結ぶときに示す労働条件で最終的に確定することになるわけですが、冒頭で書いたように条件が悪かった時にトラブルとなる場合があります。
その差額を求めた裁判で、「見込み額」が当然に賃金請求権の内容となるものではないとして、否定した例(八洲測量事件 東京高判昭和58.12.19)と、求人票の内容は特段の事情がない限り雇用契約の内容になるとした例(千代田工業事件 大阪高裁判平成2.3.8)と、判断が分かれています。

後者は、「求人票の真実性、重要性、公共性からして、休職者は当然求人票記載の労働条件が雇用契約の内容になるものと考えるし、通常求人者も求人票に記載した労働条件が雇用契約の内容となることを前提としていることを鑑みるならば」雇用契約の内容になると判断しています。ごく常識的な判断だと思われます。
裁判例をみるときに判決結果だけをみるとこっちの方が常識的ではないかと思っても、個別具体的に内容を確認してみないと何ともいえない場合が多くあります。
前者の事件についてみてみると、4月1日からの勤務について前年の6月から9月にかけて募集した新入社員の基本給の差について争われています。
裁判では、新入社員の募集を入社の数か月前から行う雇用環境のもとでは、入社時の賃金を確定的なものとして募集時に記載するのは無理があるとしています。
また、当時オイルショックが起きたという特殊事情があり、確定額が見込み額よりも3,000円から6,000円程度下回り、当時としては少ない額ではなかったのですが、前年度の初任給を7,000円程度上回ったことと、同業他社も類似の状況であったことなどを考慮して、信義則違反にはあたらないと判断しています。

企業の考え方としては、なるべく違いがないように記載するのは当たり前ですが、違いが出た場合には労働契約をするときに理由、根拠等示してよく説明して理解してもらうということでしょうか。
ただし、正社員のはずが非正規雇用だった、業務内容が全く違う、就業場所がずっと遠くなどというのは、許容範囲を超えていて、信義則違反に問われる可能性が大きいと思います。
労働者の方はせっかくホットラインができたのですから、疑問がある場合は是非利用していただきたいと思います。
しかし、周知リーフレット(参照)をよく見てみれば、土、日、祝日除き8時半から17時15分、通話料自己負担ってあーた、労働者はその時間働いてるっちゅーに。電話してる暇ないでしょ。通話料だって携帯からかける人が多いから結構高くつく。このホットラインの費用はどこからでているのだろうか。雇用保険の保険料からだとしたらもう少し労働者に配慮していただいてもよいのではないかと思いました。

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