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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

強化が求められるセクハラ対策 改正男女雇用機会均等法

4月1日から男女雇用機会均等法が改正されます。


いくつか改正点がありますが、そのうちセクシャルハラスメントについてみてみたいと思います。


現行では、セクハラについて雇用管理上の配慮義務となっていましたが、事業主が構ずべき措置について指針を出し、必要な措置をするよう義務づけています。(参照)


対象者も女性だけでなく、男女労働者となりました。対策が講じられず是正指導にも応じない場合は「企業名公表」の対象となります。今までは、公表まではされなかったのですが、事業主に対して厳しい対応が迫られるようになりました。労働者とは、正社員のみならず非正規雇用のアルバイト等、全ての雇用される者です。派遣労働者については、派遣元と同時に派遣先事業主も措置義務があります。


今までは、女性に対する嫌がらせという概念でしたが、いわゆる「逆セクハラ」も許されないこととして男性に対するセクハラも禁止されます。

社労士試験でも過去問にありますが、職場におけるセクハラには対価型と環境型とがあります。前者は労働者の意に反して性的関係を迫り、その代わり仕事がうまくいくようにする、断れば解雇、降格、など不利益を与えるもの、後者は、労働者の意に反する性的な言動により職場環境を悪化させるものを言います。


はるか昔、「セクハラ」という概念がまだなかった私のOL時代、卑猥な話を嬉々としてする若い男性社員がいましたが、それなど環境型の典型的な例ですね。また、社内旅行の宴会の席で女性社員にゆかたを着ることを強要する上司がいました。私は断固拒否しましたが、それなども今考えるとセクハラだと思います。


そんなことを考えると、大昔の職場というのは本当に男性天国だったのですね。若い私は、仕事もかなり一生懸命しましたが、いつもあれこれ文句を言って職場に波風を立てていました。「セクハラ」という概念がある現代は良い時代になったと思います。


セクハラのリーディングケースとなる判例をみておきましょう。(福岡セクハラ事件 福岡地裁判決平成4年4月16日)


昭和60年12月にY社に雑誌編集者としてアルバイトで入社し、後に正社員となったAは能力のある女性で次第に頭角を現します。おもしろくない編集長Bは、「Aは結構遊んでいる」とか「○○と怪しい仲だ」などと、Aの異性関係が乱脈であるかのような噂を流します。


昭和62年12月、BがAに転職を勧めたことから両者の関係が悪化、業務に支障が生じるようになり、Y社のC専務がY社代表者と協議して、どちらかに退職してもらうことになります。結局あくまでも謝罪を要求するAが退職の意思を表明したため、Aは退職、Bは3日間の自宅謹慎となりました。その後、AがBの言動はセクシャルハラスメントだとして、B、C、Y社に損害賠償を求めた裁判です。


判決では、Bの言動は「働く女性のAの評価を低下させるもので、その名誉感情、その他の人格権を害するものであり、職場環境を悪化させるもの」としてBの不法行為責任を認めました。また、Y社代表者とC専務についても「Bの上司として職場環境を良好に調整すべき義務がありながらそれを怠り、主としてAの譲歩、犠牲の上に調整しようとした」として不法行為責任を認めました。


性的中傷を含む言動が被害者の労働環境を悪化させ、退職を余儀なくさせるという事態に対して、不合理であり、直接に被害を及ぼした者と同時に会社側にも責任があるとしたものです。私の経験からすると、能力のある男ほど能力のある女を認め、共に高めあおうとしますね。能力のない男ほど能力のある女の足をひっぱったり姑息な手段で邪魔をしたりします。この判例が典型的な例ですね。


このような判例があることを念頭におき、事業主にはしっかりと厚生労働省の指針に沿った措置を講じていただきたいと思います。就業規則を整備することも大切ですが、「相手の嫌がることはしない」という人間としての最低限のモラルさえあれば、セクハラに限らず職場の環境は良好になると思うのですが、単純にはいかないのが「人の集合体」というものなのでしょうか。


〔今日の参考文献〕別冊ジュリスト №134労働判例百選 P60~61

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