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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

間接差別という新しい概念 改正男女雇用機会均等法

昨日、4月1日から施行される改正男女雇用機会均等法について書きました。今日も引き続き主な改正点をみてみたいと思います。


均等法が施行されてから20年がたち、対象が男女労働者となり女性だけではなくなったというのが大きな改正点です。今後は女性と比べて男性に不利益な取扱いをした場合も違法となる可能性があります。


しかし、従来どおり「ポジティブアクション」として女性の比率が4割を下回っている場合などに、女性優遇の措置ができるという特例は残されました。総合職に占める女性の割合が5%である等、必ずしも女性の現状が大きく改善されたとはいえないからです。


現行ではなかったが新しく加えられた規定として、「間接差別の禁止」があります。

均等法施行後、明白な差別は減少した反面、募集・採用にあたって女性が充たしにくい条件をつけて結果的に女性を排除するなど、形を変えた差別に対応するため、「間接差別」という概念を導入しました。


具体的には、①募集・採用にあたって、身長、体重、又は体力を要件とすること ②コース別雇用管理における総合職の労働者の募集又は採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とする ③労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とする。


以上の三つが厚生労働省令で限定列挙され、「業務の遂行上特に必要である場合、雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない」という規定が新たに設けられました。


例えば、募集に際してその仕事に関して合理的な理由もなく「身長170cm以上」などと条件をつけるのは違法となります。一般的に女性は男性より身長が低いですから、みかけは男女の区別をしていなくても形を変えた差別であるということになります。また、②、③にあるように採用や昇進の条件に業務に必要な合理的な理由もなく、転勤できることを条件とすると、出産、育児などを担わなければならない女性はためらってしまいますよね。それも間接差別とされます。


厚生労働省のHPをみると、これら限定列挙以外のことについては、均等法違反とはならなくても、裁判において間接差別と判断される可能性もあるなどとわざわざ書いてあります。法律で限定的に列挙すると、「それ以外はOKなんだ」と思われることを心配しているようです。(厚生労働省HP参照) よくある例では、住宅手当や家族手当を世帯主に支給するとしている企業です。世帯主となるとどうしても夫である男性ということになり、女性に不利益を与えている間接差別といえると思います。

 

間接差別というのは、外見上中立的な基準のように見えても、いずれかの性に相当程度の不利益を与え、しかもその基準に職務との関連がないなど正当性、合理性がないものをいうわけですから、均等法に列挙されていなくても「間接差別」とみなされることは十分あると思います。事業主は注意が必要だと思います。女性、男性を集団で考えて、いずれかの性にはっきりと不利益になっていないか、しかもその基準に合理性があるかが問われるのです。


もともとはアメリカが発祥の地ということですが、ヨーロッパ等で判例を積み重ね確立した法理といわれています。日本では、なかなか法制化されず、2003年には国連の女性差別撤廃委員会から法制化するようにとの勧告を受けています。新しい概念なので私もこれから勉強しなくてはと思っています。

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コメント


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お久しぶりです!

開業準備の忙しさでなかなかHPを拝見する機会がありませんでした。
さすが鈴木さん、毎日ブログを更新してらっしゃいます!
凄いですね。

まだ読んでない部分がたくさんありますのでまた勉強させて頂きます。
今後とも宜しくお願いします。

卯年 | URL | 2007年03月26日(Mon)16:28 [EDIT]


卯年さん
こんばんわ。
いつの間にか桜が咲いてきました。
暖かくなってきたので、また外回りを復活する予定です。

事務指定講習頑張ってください。

おばさん社労士 | URL | 2007年03月26日(Mon)21:17 [EDIT]