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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

ストレスチェック義務化の負担

6月25日労働安全衛生法の改正が公布されました。(参照)
法律というのは、改正して公布したからすぐその日から実行というわけではなく、だいたい1年後などに施行され、その日から効力が発生することになります。今般の改正もそれぞれの改正項目により、公布から1年から2年以内の施行とされています。
印刷工場での換気設備の悪さから胆管がんの発症が多発した事例などを受けて、化学物質の管理の強化が図られ、職場の受動喫煙の防止対策についての努力義務なども明文化されています。
いくつかある中で、私が注目しているのはストレスチェックを事業主に義務づけたことです。
医師、保健師等による検査を実施して、結果により労働者の希望があれば医師の意見を聴いて、必要な場合には作業の転換、労働時間の短縮など必要な措置をを図るところまで事業者に義務づけています。
従業員50人未満の事業所は努力義務となっています。「事業所」とは企業全体ではなく、支店、工場などの場所ごとになります。

50人で線引きをしたのは、多分50人以上の事業所については産業医の選任が義務づけられているからだろうと思います。
事業所にいきなり従業員のストレスチェックをしなさいと言っても、何をどうしていいかわからないでしょうし、産業医がいれば相談は可能だと思われるからです。今後、厚生労働省から指針などが出されてくると思いますが、決められた項目について労働者に書いてもらい、それを医師等に判定してもらうというようなやり方になる模様です。
法律条文を見てみると、判定する医師等は、労働者の同意なくして事業者に結果を提供してはならないとして、プライバシーに配慮しているようです。会社にとっては義務ですから費用を負担しなくてはならない。なのに、結果もよくわからないということになります。
その結果を受けて、「厚生労働省令で定める要件に該当する」労働者が医師による面接指導を申し出た場合は、事業者がそれを行わせなければなりません。
また、申し出たことを理由として不利益な取り扱いをしてはいけないことも明記されています。

さらに、その場合の面接指導の結果の記録が義務づけられていますが、ということは、その結果については情報提供されるということなのでしょうか。「厚生労働省令で定めるところにより」とありますから、今後の動向に注目しなければなりません。
その後の必要な措置をとるところまで義務づけていて、それも今後指針がでてくることになるのでしょう。
費用負担も発生するでしょうし、事業主にとってはかなりの負担になってくることも予想されます。
このような改正も精神障害による労災が3年連続で増加して、過去最高になっているという背景があります。しかし、精神障害の発症は、必ずしも仕事が原因でない場合もありますから、事業主に過大な負担を強いるのはどうなのかなという疑問も感じます。
労災として認定される精神障害は、多くが過重労働であり、それらは休憩、休日、休暇の取得を含めて、労働時間の管理をしっかりと行うことが大事です。パワーハラスメントやセクシャルハラスメントが原因の場合は、そのようなことに対する事業主としての責務を果たすということが先決です。
どのような場合に、精神障害が労災となるのかということについて、国はもっと積極的にアピールして事業主の注意を喚起するような情報提供をしてほしいと思います。

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