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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

生理休暇を取得しやすくするには?

労働基準法では、生理日の就業が「著しく困難な」女性労働者が申し出た場合、休暇をあたえなければならないと規定しています。
これに派生する問題点などについては過去記事にしたことがあります。(
過去記事1参照)、(過去記事2参照)
過去記事には記載しなかった問題点として、男性上司だったりすると何となく恥ずかしく言いづらい、取得しずらいというようなことがあります。
私の関与先からも過日、届出書が順番に上長に回るので、社内中に知れてしまうのは何とかならないかとの女性社員からの申し出があったとのご相談がありました。
運用上の問題なので、生理休暇については届出書なしでメール等の連絡を認めるなどしてはどうか、会社としては休業の理由について把握しておく必要がある。女性保護のための正当な権利だから、堂々と休んでもらっていいはず。
休みにくい雰囲気があるとしたら、そちらの方が問題があるのでは。というのが私の回答でした。
昨日、担当者から「全女性に月1日だけ有給休暇を付与して、理由は問わず、普通の有給休暇として取得してもらい、生理休暇とわからないようにしたい」と、メールをいただきました

有給休暇というのは会社にとって「コスト」ですから、全女性社員に最初から付与してしまうのは、経理上大丈夫なのかということもありますが、その会社はもともと2日間について生理休暇は有給としていて、とてもいい会社ですから、さらに一歩進めるアイディアがでてきたわけです。
ネットで検索してみると、生理休暇が何となく取得しにくいというのはよくある悩みのようで、男性社員に知られたくないというような理由もあります。会社によっては名称を変更したりしているようですが、名称を変更しても結局実態が「生理休暇」ならそれと知れてしまうということに対する解決にはなりません。
最近の若い人たちは権利意識も高いし、正当な権利として堂々と取得するのかと思いきや、そうでもないようです。
件の会社のように、いっそ普通の有給休暇とまぎれて取得できるようにすれば、理由も問われず、好きなときに申し出て取得できることになります。

一方、過去記事にも書きましたが、権利の濫用とも思えるような事例もあるようで、若い人の方が何となく遠慮がちだが、40代以上の社員の方が堂々と取得する、生理休暇を有給としている会社の中には60代で取得する人もいるとの書き込みもありました。ネットの情報は玉石混淆ですから、話半分に聞くとしても、結構労務管理上問題になることも多いのかなと思いました。
昨日は、午後から所属する社労士会の研究会の定例会があったため、とりあえず、回答は保留にして、研究会の場で出席していた会員に意見をきいてみました。
正当な権利として堂々と取得すればいいし云々と過日の私と同様な意見もありましたが、皆一様に「女性だけ、年間12日も有給休暇増えるの?」と、特に男性は不満顔。均等法違反では?逆差別。「生理休暇」を表にだしたくなければ、「特別休暇」として男女ともに月1日付与すればよいのではないか? ということで落ち着いたのですが・・・。

しかし、私は、帰宅してから考えました。
生理休暇はもともと女性特有の一種のハンディキャップに対応した休暇であり、男性と待遇を変えたとしても合理的理由となり得るのではないか。逆差別どころか、むしろ権利の行使を後押ししていて、均等法の精神に合致しているのではないか。
しかし、ここで、気になるのは、労働基準法では、生理休暇の期間は限定していません。人によって半日でもいい人、1日でもいい人、2~3日ほしい人と個人差があるからです。
それを、1日有給休暇を増やすから、生理休暇を取得したい人は、まずはそこで取得してくださいとなると、2日とりたい人は、残り1日は結局生理休暇として取得することになります。
それでは、「生理休暇と知られたくない」という目的を達成することはできません。
また、この会社は現行の就業規則(以前、私が見直しして大幅改正した)で、生理休暇は2日まで有給とするとしています。
この規定から月1日全女性に対する有給休暇に移行するとなると不利益変更の問題もでてきます。
(その点については過去記事1に判例があります)
私は、こみいった問題については、必ず文書で回答していますが、さて、どのような回答書を作成しましょうか。
お客様から持ち込まれる問題は、私に思索するチャンスを与え、悩み考え、模索し、時に自分でも感心するようなアイディアを生み出すことがあります。本当に「お客様は勉強の神様」です。これ以上は守秘義務ということで。

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