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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

最低賃金の答申が出る

中央最低賃金審議会が、厚生労働大臣の諮問を受けてこの度最低賃金の引き上げについて答申を出しました。
日本の地域をA~Dまでランク付けして、それぞれ、19円、15円、14円、13円引き上げるように答申しています。
Aは、東京、神奈川、愛知、大阪、千葉のいわば大都市圏で、東北地方や九州地方はDになっていて上げ幅は少なくなっています。(
厚生労働省サイト参照)
これにより、生活保護費との逆転現象はすべての都道府県で解消されると報道されています。
毎年、新聞では大きく報道されますが、社労士になるまでほとんど気にもとめなかった「最低賃金」、今は、関心をもって見ています。

昨年、足立区と埼玉県の富士見市で市民の方向けの労働法講座の講師を務めましたが、皆さん、最低賃金については関心が高く、私がご提供した資料を真剣に見つめていらっしゃったのが印象的でした。「高校生にも適用になるんですか?」とか、「完全歩合制なのですが、どうやって計算したらよいですか?」などの質問もありました。
前者の質問は、もちろん、適用になります。
最低賃金法では、適用対象にならない人を限定的に挙げていて、その中には「高校生」は入っていません。挙げられているのは、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い人や、労働密度の低い「軽易な業務」につく人などですが、管轄の労働基準監督署長の許可が必要です。

後者のご質問については、状況を詳しくお聞きすると、美容院で、お客さん一人につきいくらというような支払い方をしている経営者の方でした。
その場合には、その歩合給を受けるのに働いた時間数で割って時給に換算して、最低賃金以上にならなければなりません。
労働基準法では、出来高払い制の場合、労働時間に応じて一定額の賃金の保障を義務づけています。
ですから、美容院で完全歩合制はどうなのかなと、ちらっと頭をかすめましたが、そのときは、時間もありませんでしたし、話が複雑になると思い、それ以上の話はしませんでした。
美容院で、お客さんが来て作業したときのみ賃金を支払うとする場合、作業をしていない時間は完全に労働から解放されていないと、お客さんがいなくても待機時間として労働時間になります。
しかし、「保障給の支払いを求め得るためには、使用者との間に労働時間に応じて一定額の賃金の支払いを受ける旨の契約を締結していることが必要である」とした裁判例(金沢地判昭36.7.14)もあり、個別の状況をしっかり確認する必要があります。

話が横道にそれましたが、生活保護費との逆転現象が解消されるのはよいことと思いますが、そんなことが問題になるということが、そもそもおかしいような気がします。
やはり、今の最低賃金の水準は低すぎるのだと思いますが、地方の経営者にとっては、死活問題とも報道されていて、簡単にはいかない問題なのだろうと思います。

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