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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

休職後の復職判断

必要があって休職に関するあれこれを勉強しています。
もちろん、社労士としての「常識」程度の知識は以前より持ち合わせていましたが、いざ、自分が関与するとなると、もう一度、関連書籍、判例集などをひっくり返して猛勉強することになります。
休職制度は法律に規定がないので、大手企業には当たり前のようにありますが、中小企業にはない会社もあります。
随分前にあるセミナーを受講したときの講師の先生は、「中小企業は休職制度など作らない方がいい」とはっきりおっしゃっていました。経済的にも人員配置的にも余裕のない中小企業が、あえてトラブルのもととなるような制度を作る必要はないとのご意見でした。
そうすると、心身の不調等により通常の勤務ができなかったときには、あっさり解雇という措置になることになり、それはちょっと忍びないなと思う事業主さんは、休職制度を作ってある程度の猶予期間をおいて、どうしても元通りの勤務ができないなら、そこで自動的に退職してもらう、または解雇という措置をとる。ということになるのが休職制度です。
解雇するにしても、退職とするにしても、会社はできる限り配慮していることを示すことができます。

前述の講師の先生のトラブルの元というのは、法律に明確な根拠がないために会社の裁量で行うため確かにそういう一面もあります。
裁判例などであるのは、私傷病による休職で病気が治って復職しようとしても会社がそれを認めず解雇となった。休職制度があるのに、それを使わずいきなり解雇とした。
復職できず解雇となったが、実は、休職の原因となった病気は過重労働(その他パワハラ、いじめ、嫌がらせなどもあり)など、会社側に原因があり、会社に責任があるとするものなど(要するに業務上の疾病だとする)、復職がなかなかうまくいかなかったときにトラブルになりやすいようです。
休職させるときには、会社は、その人の勤務状況をよく把握して過重労働、セクハラ、パワハラ、いじめ等がなかったかを確認しておく必要があります。

法律にはない制度ですから、会社は就業規則等できちんと社内的な決まりを作り、それにのっとって運用することになります。
ですから、就業規則はとても大事です。今般、私がちょっと今まで自分が作っていた就業規則では、足りない点があったと感じたのは、私傷病による休職で、復職をするときの判断です。
本人の主治医の診断書とともに、会社指定の医師の診断を受けてもらって、最終的に会社が判断するというやり方が一般的ですし、私もそのような規則を作っていますが、復職できるかの判断基準をどうするかということは普通書きません。
裁判例などでは、軽易な作業ができる程度になっている場合は、完全に回復していなくても企業は配慮する義務があるというような判断が出ていて、100%の回復でなくても、会社側がある程度の配慮をして復職させなさいということのようですが、一方で、会社が復職させたことにより病気が悪化したと訴える事例もあり、何をもって「治癒又は回復した」という判断かが難しいのです。
会社には、人事権、解雇権がありますが、一方、社員に対する安全配慮義務もあため、よかれと思って復職させても病気が悪化すると、安全配慮義務違反を問われる可能性がでてきます。このあたり、判断が難しいと思います。

「完全に従前の業務を支障なく行うことができて、時間外勤務も含めて従前どおりに仕事ができるこ場合に復職を許可する」ぐらいに明確に書いておくと、会社はその規定にのっとり判断することができます。
しかし、薬を飲んだり、通院しながら業務をしている持病のある人などもいますから、その人たちとの整合性でどうかなーとも思います。 就業規則には記載せず、休職に関する合意書(私は必ずこれを交わすことをお勧めします)で、個別にカバーするのがよいだろうか。
しばらく、頭脳の中でぐるぐると考える、そんな日が続きそうです。

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