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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

社労士法改正に関するあれこれ

先の国会で社会保険労務士法の改正が行われ、ADR(裁判外紛争)において特定社労士が代理人として関与できる金額の上限が60万円から120万円に引き上げられました。
また、今まで訴訟には関与できませんでしたが、弁護士の補佐人として陳述できるようにもなり、万が一、顧問先が紛争当事者となった場合などに、相当動きやすくなったと思います。
私の場合は、関与先に関しては絶対に紛争当事者などにはならないように、その一歩手前で阻止することにこそ社労士としてのダイナミズムがあると思って仕事をしています。
トラブルの芽を摘んでいくこと、それには関与先に対して耳の痛い話ももちろんしていきますし、社会保険労務士法第1条にある「労働者等の福祉の向上に資する」を常に念頭において、相談事案の解決を図る努力をしています。
これに関連して、所属する研究会のメーリングリストで、この改正について労組系の労働団体や労働弁護士団などから、強い反対の意思表明があったという情報を流してくれた会員がいて、何人かの会員が感想等を述べたりして、ひとしきりにぎやかでした。

弁護士団体は、自分たちの職域が侵されることを恐れてか特定社労士の制度ができるときにも相当強い反対をしていました。
結果的には、特定社労士の研修等はすべて弁護士が資料等の作成をしていますし、ビデオ研修やグルーブ研修の講師はすべて弁護士さんです。多分、試験問題作成や採点も請け負っているのではないかと私は考えています。
というわけで、彼らもこの制度のお蔭で結構潤ったんじゃないのかなというのが私の素直な感想です。
それはさておき、弁護士団体の反対理由として言われるのは、社労士は民法、会社法などの素養がなく(試験科目にない)そもそものスタートが行政の補助職的な位置づけでスタートしているからというものです。
確かに、草創期から社労士となっている超ベテランの会員に、労基署にお客さんを紹介してもらったとか、労基署に「早く開業していろいろ手伝って」と言われたなどの話を私も実際に聞きました。
もちろん、今はそんなことあり得ません。
要するに、彼らは、社労士を法律の素養も大してなく、行政関連の手続きを専門とする事務屋程度の者という認識であるらしいです。
そんな者が訴訟の場にしゃしゃり出てきたら、うまくいくものもうまくいかない、訴訟にはそれなりの修練を積んだ弁護士だけがあたるべきで、弁護士の人数も足りているということが言い分のようです。

また、労組系の反対理由はというと、このところの労使トラブルで企業側の社労士が団体交渉にでてきて、交渉をめちゃくちゃにするとか、そもそものトラブルの原因となる企業の法令違反に手を貸している社労士がいる、その上でさらに権限の拡大などとんでもないということらしいです。
以前は、社会保険労務士法で社労士の労働争議への介入は禁止されていましたが、第7次改正(平成17年)でその規定が削除され、現在は、開業社労士が企業側に委任を受けて団体交渉の交渉委員として、交渉することが可能となっています。
そんなことから、労組団体と交渉する場面もあり、労組としては面白くないということがあるのかもしれません。しかも、企業に顧問料をもらっている関係で円滑な労使関係に寄与することなど考えず、誠実に交渉する義務などお構いなしの社労士も少数ながら現実にいるらしいです。
らしいですというのは、私の回りの社労士仲間は皆さん、正義感もあり、労使関係がうまくいくように考えている人ばかりなのですが、「一部に「争議屋」的な社労士が横行していることに批判があるのも事実」と全国社会保険労務士会連合会の会報(2014年12月号)に書かれていたからです。

反対する人たちの根底にあるのは、自分たちの利益にならないと考えているからでしょうが、その理由として、一部の悪徳社労士や能力に疑問のある社労士について語り、それがすべての社労士に通用するかのごとくに言うのはフェアではないと思います。
ある組織があれば、その中によろしくない人が一定割合で出てくるというのは世の常ですし、その割合がどの程度かで考えるべきではないかと思います。
確かに、社労士は法学部出身者もどちらかというと少数派であり、「法律の素養」という点では弱いと私もかねてより感じています。
しかし、それは、本人の努力によって解消できることですし、ことさらにそれのみをもって社労士は行政補助の事務屋と決めつけるものでもないのではないかと思います。

社会保険労務士法第25条の3の2第2項では、「何人も」社労士の非行について厚生労働大臣に懲戒を求めることが可能です。
そんなにひどい社労士がいるのなら、どんどん告発していただきたいものだと思います。
今般の社労士法改正は、弁護士よりも敷居の低い身近な相談相手としての社労士の「使い勝手」がよくなり、企業や労働者にとっては選択肢が広がったことになります。
何をするにも、選択肢が広い社会は良い社会だと私は考えています。
一人ひとりの社労士が地道な努力により、企業や労働者の期待に応えることが増えれば、自ずと評価は上がるでしょうし、その逆ももちろんあり得るでしょう。
個人の努力はもちろん、組織としても個人の能力を担保する施策を積極的に進めていただきたいとも思いますが、このあたりのところが一番難しいのではないかなと私は考えています。

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