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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

PTSDでも労災となる場合がある

天災や事故、犯罪などで生命の危機にさらされるような過酷な体験をすると、その後にその体験を思い出したりして精神的に影響を受ける場合があり「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)と呼んでいて、最近、社会的にも認知されるようになっていると思います。
毎月送られてくる全国社会保険労務士会連合会の会員向け広報紙に、それが労災として認められた事例が掲載されていて興味深く読みました。
管轄労働基準監督署に申請したときには認められず、再審査請求して認められた事例として報告されていました。
精神的な障害というのは、身体のけがなどと違ってじわじわと病気の状態になっていくことも多く、本人の性格などの要因もあり、因果関係の証明も難しい面があり労災申請をしても必ずしも認められるわけではありません。

掲載されていた事例は、業務中に乗車したタクシーが5m下の川に転落するという交通事故に遭い、負傷ですんだものの、その後うつ病とPTSDを発症して仕事が手につかなくなり、休業して療養を余儀なくされた労働者の例です。
このような事故について、「人生の中でまれに経験する強い心理的負荷」として同種の労働者と比べても心理的負荷は強度であると判定されています。
同じストレスを受けてもストレスに強い人、弱い人がいる(ストレス脆弱性理論)ということで、ある程度斟酌されるわけですが、この事例は、ストレスに対しての脆弱性が普通の人であっても、かなり強いストレスを感じる事例とされたわけです。
道路から5m下の川にタクシーに乗ったまま転落するというのは、やはり相当なストレスと考えるべきだと思いますが、何故、最初の申請で労災と認められなかったのかが不可解です。

申請人(事故に遭った労働者)は、事故後2時間ぐらいしか眠れないとか、悪夢で目が覚める症状があり、「神経症」と診断されましたが、職場が繁忙期であったため事故後一か月で復帰しました。
しかし、同僚には「仕事が全く手につかない」と訴えていました。
多分、最初の申請では職場復帰がすぐできたんだから、その後のうつ病は事故とは直接関連がないのではないかと判断されたのかもしれません。
再審査では、会社の業務が重要な時期であることとか、申請人が会社と事を構えたくないと考えていたことなどを挙げ、回復していないのに職場復帰して「うつ病」となったとして、事故との因果関係を認めています。
こういう場合に、労働者側は、自分のおかれた状況を客観的に証明することが重要です。
おかしいと思ったら専門医の診断をまず受けておくことだと思います。それが最も客観的な状況の証明となります。
「眠れない」とか「悪夢を見る」などの家族の証言も判断材料になります。本件では、同僚に「仕事が手につかないとこぼしたりもしています。
一人で抱え込まないで、家族、同僚に話すということも大事なんだなと感じました。
会社としてもできることは限られてくるので、社会保険労務士などの専門家に相談していただくことが一番よいのではないかと思います。




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