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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労災保険における通勤災害

昨日、労災保険における通勤について書きましたが、どういう場合に通勤中の事故等が労災として認められるのか、もう少し詳しく書いてみたいと思います。


昨日も書いたとおり、本来労災は業務上の傷病をカバーするためのものですが、業務をするために通勤をするわけですから、通勤中の傷病も合わせてカバーしようというものです。


労災(労働者災害補償)保険法では、通勤を「就業に関し、合理的な経路及び方法により往復すること」、また、「業務の性質を有するものを除く」としています。

前者については、常識的に考えて妥当な経路であることということで、経路を届け出るようになっている会社も多いと思います。


後者については、業務の範囲の一部に含まれるような「通勤」については、通常の「通勤」と区別して業務上のものとして考えるということです。例えば、出張に行くための往復については、自宅を出てから帰るまでが業務となります。ですから、私的行為のため長時間経路を離れた場合は除きますが、その間の事故等は業務上の災害となります。


休日に突発的事故で呼び出されて会社に行く途中の事故も業務災害となります。また、会社の送迎バスなども乗った段階で業務の範囲となります。


通勤中に経路から外れたり、長時間私的行為をするとそれはもう業務との連動性がないものとして、その後通勤経路に戻ったとしても「通勤」とはなりません。


昨日記事にした裁判例も、社内での懇親会を私的行為とみなすか、業務とみなすかで、その後帰宅しようとした時の事故が通勤災害になるかならないか結論が違ってくるのです。


厚生労働省令では①日用品の購入など ②通学等 ③選挙権の行使等④通院等の場合は日常生活上必要な行為として、寄り道をしても通常の経路に戻った段階で通勤と認めるとしています。(寄り道中はだめ)


他にも、帰宅途中に理美容院による行為などが日常生活上必要な行為として、認められます。公衆トイレに入る、経路近くの公園で短時間休息する、経路上の店でごく短時間お茶やビール等を飲むのもOKとされますが、長時間腰を落ち着けてしまうと完全に逸脱してしまったとみなされ、その後通勤経路に戻っても「通勤」とはなりません。


「通勤」というのは「住居と就業の場所」の往復という定義があります。友人宅に泊まってそこから直接通勤したような場合は住居とはみとめられません。単身赴任中の人が休日などに家族のもとに帰って休日明けに会社に直接行く時などは、現在の単身赴任している住居とは違いますが、通勤として認められます。また、いったん赴任先の住居にもどってから会社に行くというような場合も、その経路全てが通勤となります。


入院中の夫の介護で病院に姑と交替で泊まっている時の「病院」や出産の手伝いのため長期間泊まっていた娘の家などが、「住居化」しているとして「住居」と認められた例もあります。


こう見てくると労災の通勤災害が認められるためには、通常の経路であれば問題ないのですが、ちょっと寄り道をしたり通常の経路から外れた時には個別にかなり細かくチェックされるようです。


会社にお勤めの方は通勤途中で事故にあった場合などは、労災が認められれば、治療費は自己負担額が200円のみで、休業補償もありますから、是非請求してください。アルバイトやパートでも同じように補償が受けられます。


労災なんて入ってないよ」と事業主が言ったとしても、それは違法ですし、事業主側の問題です。事業主が費用を徴収されるだけで、労働者がそれによって補償が受けられないということはありません。最寄の労働基準監督署に相談してください。

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