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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

法律を守る体制にないという国会議員(2)

昨日記事にした、衆議院厚生労働委員会で退職した秘書に未払残業代700万円を請求されたことを自ら述べ、法律そのものがおかしいと述べた国会議員足立氏は、ネットで批判が殺到してお詫びしたそうです。
昨日の記事の末尾に[管理人注]として簡単に書いておきましたが、もう少し感想等書いてみたいと思います。
そもそも残業代を払わなければならないと思っていなかったそうで、労働基準法41条2号にある「機密の事務を取り扱う者」という認識だったと弁明しているようです。
労働基準法では、原則1日8時間1週40時間という労働時間の制限を設けていますが、その規制から除外してもよい人が労基法41条に規定されています。この条文にある「管理・監督者」がよく問題となります。
その解説については、過去記事を参照していただきたいと思います(
参照)
管理・監督者とともにこの労働時間の規制から除外されるのが、「機密の事務を取り扱う者」で社長秘書などが想定されています。使用者側と行動を共にするために労働時間の規制にはなじまないという考え方です。
しかし、昨日の[管理人注]にも書いたとおり、深夜労働(夜10時から翌朝5時まで)と年次有給休暇については法律が適用となります。

また、退職後に残業代を請求されたということは、請求した元秘書は残業代が出ないことに納得していなかったと思われます。
議員との考え方に違いがあったと思われますので、契約するときにきちんと説明したのかが気になります。
労働契約法では、使用者に対して労働契約の内容について労働者の「理解を深めるようにするものとする」という条文があります。(第4条)
多分、足立議員はこの条文読んでないのではないかという気がします。
続く第5条には、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」といういわゆる「安全配慮義務」が規定されています。
同議員は、「365日、24時間働いているので、秘書もそれに合わせてくれないと事務所の体制が維持できない」というようなことも語っていたと思います。
議員側は使用者ですから、労働時間の規制も何もなく、好きに働いていただいていいですが、秘書は雇われて働いて賃金を受け取っている以上、労働基準法の適用となる労働者です。そんなことしたら、普通は身体の具合悪くなりますよね。
休憩したり、休日をとったり、労働時間も法律の枠内に納めるように努めることが使用者の「安全配慮義務」でしょう。

また、同法には、「労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し」との規定もあり(第3条第3項)、いわゆるワークライフバランスを促す条文もあります。
前述の理由をくっつけてお詫びしたとしても、労働法に対する無知をさらしたことには変わりなく、今風に言うと「残念な国会議員」となりますね。
しかし、言ったそばからお詫びするのなら言わなきゃいいのにと思います。おそらく、本音をよく言ったと喝采してくれる人がたくさんいるとでも思っていたのかもしれません。ネットを見ているのは圧倒的に労働者的立場の人が多いと思うので、ブラック企業の社長みたいな言い分はさすがに批判されることの方が多いのだろうと思います。
同議員は「残業代0法案」などというレッテルを貼るのはよくない、年収用件ももっと下げた方がいいというかなり経営者寄りの発言をしています。
「残業代0法案」として何故批判されるのか、どこに問題があるのかきちんと勉強して、その批判に丁寧に応えるかたちをとって持論を展開していただきたいと思いました。

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