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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

不合理な労働条件の差とは?

非正規雇用者の賃上げのニュースにからめて、メトロの売店の契約社員や日本郵便の契約社員、大手セメント会社専属の運輸会社の運転手など、非正規雇用者が正社員と同様な仕事なのに格差が大きすぎるとして、労働契約法20条を根拠に訴訟を起こしていると記事がありました。
結果はまだでていませんが、非常に興味深いと思います。
労働契約法20条とは、期間の定めがある労働者と期間の定めがない労働者(正社員を想定していると思われる)との労働条件の差は、「業務の内容や責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。」とする規定です。
業務の内容とは、仕事の内容、残業の有無や頻度など、責任の程度とは、決済権限やクレーム処理、トラブルや緊急時の処理などの求められる役割、ノルマなど成果に対する期待などで、配置の変更とは、昇進、昇格、転勤、異動などです。
その他の社内事情などを考慮して、その違いにより不合理であってはならないとする条文です。

この「不合理」というのがどう考えるか難しいのですが、素直に考えれば、正社員の8割ぐらいの仕事内容なら給料も8割ぐらいということだと思います。職務内容等の差に見合った差のつけ方ならよいということだと思います。
しかし、現実に現場で仕事をしている場合、正社員と全く同じ職務をせざるを得ないという状況があるのではないでしょうか。
以前、所属する研究会でパートタイム労働法にも均等待遇・均衡待遇という考え方がありますから、その件で、職務の違いを明確にすると言っても、現実にいっしょに仕事をしている場合、例えば、クレームの電話を受けたときに、私はパートだからわかりませんとは言えないのではないか、ある程度の対応はすることになるのではないか、そんな話がでました。
会社側が、パートの責任はここまでと線引きしていたとしても、顧客を相手にするような仕事の場合、臨機応変に対応することもあるでしょうし、日々現場にいれば、結局正社員と同じ職務をこなさなくてはやってられないということがあるのではないかと思います。
前述の訴訟の仕事も、どちらかというと事務職ではなく顧客相手の現場で働く人たちです。

私は、会社側で正規と非正規をあまり分断するのも会社の雰囲気が悪くなるのではないかと思っています。同じ職場にいながら、待遇格差があるということは待遇が悪い人にとってみれば、愉快なことではありません。同じ仕事なら同じ賃金というのがすっきりすると思います。
訴訟などになった例をみると、会社側は一生懸命違いを強調しますが、実際の現場ではぐすぐずになってしまって、正規、非正規の人が実態として同じように仕事をしているという場合があるように思います。
同じ仕事なら同じ賃金を追求していくと、会社側には非正規で雇用する「旨味」はなくなりそうです。
非正規の人の労働条件が何故悪いのかというところはもっと追究されてもよいかもしれないと思います。フルタイムで働けなくても会社への貢献度の高い人はいるはずだし、期間の定めの有無だけで待遇の差を決めるのは合理的と言えるのだろうか。
究極のところ、個人のパフォーマンスの違いにより差をつける方がずっと「不合理でない」と言えるのではないかと思います。

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