FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「自己保健義務」ってと聞かれて

昨日、所属する社労士会研究会の例会で、私が書いた原稿に関連して「自己保健義務って、やはり判例とかあるんでしょうね」と聞かれ、自分としては「労働契約に付随する信義則上の義務」というようなことで就業規則にも規定として作るし、当たり前のことと理解していましたが、あらためてそう問われるとすぐには思い浮かびませんでした。
そんなことがあるから研究会の例会は面白いということになるのですが。
労働契約法では使用者に「安全配慮義務」を規定しています。
労働者が安全で健康的に働けるように職場環境や労働条件に配慮する義務です。
労働契約は労使が対等な関係で結びますから、契約上の義務として労働者には何かないの?ということになりますが、あります。
労務提供するためには自分が健康に配慮して、契約で約束した義務を果たさなければなりません。
そこで、「自己保健義務」「健康管理義務」などと称して、労働者自身も会社で実施する健康診断を受診する義務があり(自分で選択した医療機関での受診も可能)、自分でも病気をしないように気をつけなければならないと考えられています。

裁判の場では、過重労働などにより身体をこわしたような労働者側が使用者の安全配慮義務違反を訴えたことに対して、使用者側が対抗手段として「健康管理義務」を持ち出して、民法418条の過失相殺により損害賠償額を減額してもらうときなどに使います。
例えば、労働者側が持病があるのに放置していたり服薬を怠ったりして重症化させた場合などです。
脳血管障害についての労災を争った事件で、ヘビースモーカーだったことがリスクファクターとなった裁判例もあったことなども思い出しました。
しかし、それらは病気との因果関係を証明することは難しく、ヘビースモーカーの件も一審と二審で結論が分かれています。
健康診断の受診拒否に対する懲戒処分を有効とした判例もありました。
裁判では、個別に具体的な事情をよく勘案して結論をだしますから、必ずしも似たようなケースで同じ結論になるとは限りません。

それでも、法的解釈の参考にはなります。
というわけで、判例などを勉強することになるわけです。
私は、判例など確認するのがくせになっていて、法律条文の解釈について法律学者の先生に比べたら、ごくごく簡単な理論ですが、仲間とそんな話をするのは楽しいものです。
そんなわけで、昨日も3時間の例会があっという間に過ぎてしまったのでした。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する