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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

長時間労働は安全配慮義務違反だと思う

厚生労働省では、過重労働に対する取り組みを強化するために違法な長時間労働を繰り返している企業について指導を強化し、事案を公表することを「臨時全国労働局長会議」で指示したそうです。
公表内容(
参照)を見ると、指導を強化する対象は複数の県に事業場がある中小企業(定義参照)ではない企業に限っているようです。
要するに大企業ということですが、過重労働というのはむしろ中小企業に見られるのではないかなと思います。
大企業は、法令遵守ということにかなり神経を使って、法務室という部署を設けたり、弁護士と契約したり社内に社労士を抱えていたりと体制が整っている場合が多いので、違法な状況とならないように気を使っているはずです。
「労働基準法なんか守ってたらうちはつぶれるよ」と言ったとされるビューティクリニックは、従業員数が相当数いたと思うので、取締りの対象になってくると思いますが、企業の9割を占めるとされる多くの中小企業の指導を強化する方が労働者のためになると思います。数が多過ぎて対応できない若しくは対応したくないということなのでしょうか。

厚生労働省は、「社会的に影響が大きい企業」としているので、大企業を指導すれば中小企業にも影響を及ぼすだろうと考えているのでしょう。
「過重労働」について、どのように線引きするかということが前述の厚生労働省の公表の基準にあります。
①労働時間、休日、割増賃金に係る労働基準法違反があり、②月の時間外、休日労働が100時間を超えていること とあります。
①についてのよくある違反は、管理・監督者だとして残業代を支払わないとか、固定的に決まった時間数の残業代しか払わない、代休をとればいいとして休日出勤手当を支払わないなどでしょうか。
②の月100時間を超える残業は「過労死レベル」ですから、当然是正されるべきでしょう。
過重労働でよく思うのは、その人にとって明らかに業務量が多いのですから、人を増やすか適正を考えて適正がなさそうだったら別の部署に移すなどすればいいのにと思うのですが、なかなかそうならないで労働者本人や家族が苦しんでいる場合が多いという印象があります。

月100時間の残業、休日出勤があるとプライベートな時間はほとんどなくなるでしょうし、心身にも悪影響を及ぼすかもしれません。
ごくまれには、仕事が楽しくてどんどんやってしまうという場合もあるかもしれませんし、ある程度はその人の選択なのだと思いますが、雇っている側の会社としては「安全配慮義務」がありますから、労働者の心身の健康に配慮して、過重労働はさせないようにする義務があります。
この「安全配慮義務」は、大企業は当然わかっていると思いますが、中小企業の経営者は案外知りません。
労働者一人ひとりが安全で健康に働く場を提供する義務があるということですから、真剣に考えると、恐い義務でもあるのではないかと思います。だって、普通、他人の健康や安全に責任なんて持つことできませんから。
会社としては、やることはやってます、というところを常に言えるようにしておかなければなりません。
それには、法令遵守が最も近道なのです。
人を雇っている企業経営者は、それだけ重い責任を負っているということを強く意識すれば、過重労働なんてなくなると思うのですが、そう簡単な話ではないから、「お達し」がでるんだろうなと思うのでした。

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