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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働者が疲弊する?裁量労働制の見直し

現政権は今国会で労働基準法の改正を目指していると報道されています。厚生労働省のHPにも法案の概要が掲載されています。
多様な働き方を実現するとの目的で、年収1075万円以上の研究職など高度なプロフェッショナル的な人に対しては、働いた時間に関係なく「成果」で賃金を支払うとするもので、長く続いてきた働いた時間に見合った賃金を支払うという考え方が根底から崩れる法案です。
残業代をなるべく低く抑えたい企業としてはうれしい改正なのでしょう。
しかし、現状では、年収要件が1075万円というと多くの企業で「管理・監督者」扱いをしていて、もともと労働時間の規制から除外する人として処遇していると思われますので、年収要件を下げれば別ですが、すぐに大きな影響があるとは思えません。
ただし、すべての労働時間の規制から外すとなると、現状の管理・監督者にはある「深夜残業手当」がなくなることになり、このあたりの影響は深夜残業が多い場合にはあるでしょう。
私は、あまり報道されませんがむしろ「企画業務型裁量労働制の見直し」の方が影響が大きいのではないかと思います。

裁量労働制とは業務に必要だと思われる労働時間をあらかじめ決めておいて、その時間より多くても少なくても決めた時間働いたとみなして賃金を支払う制度です。
対象業務が決まっている専門業務型裁量労働制と業務内容で適用できる企画業務型裁量労働制があり、今般の改正は後者の方です。
今までの業務内容が「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」であり、事業の性質上、その遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、遂行の手段や時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこと」が条件です。
要するに、企業の経営に必要なことを決める部署などで、労働時間の使い方などについて経営者側があれこれ指示しないで、労働者側が自由に考え決められることが条件の一つです。
他に、労使委員会を設置して5分の4以上の賛成を得て届出て行うとか、そこで労働条件を調査審議して、経営者に意見を言えるとか、労働者の健康、福祉を確保するとか、苦情処理措置を設けるとか条件がありますので、簡単に導入できるわけではなく、現在導入している企業は1パーセントにも満たないようです。

今般の改正案では、業務内容を追加して「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」とあります。(
厚労省サイト参照) 
PDCAとはPlan(計画する)、Do(実行する)、Check(評価する)、Action(改善する)ということです。具体的な業務は今後省令等で出されるらしいのですが、前者の営業業務については、結構幅広く適用対象となる可能性もあるようです。
年収要件がありませんから対象となる労働者の範囲が現状より広がる可能性が大きいでしょう。
長く続いてきた労働時間の枠組みを崩すことは経営者側にとって「悲願」みたいなものらしいですが、労働者あっての経営ということを忘れてはならないと思います。
多くの労働者が疲弊するような制度は長い目でみればマイナスです。
今後の行方を注目したいと思います。

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